みんかい | 民間介護施設紹介センター

特別養護老人ホームについて

特別養護老人ホーム

在宅での介護が難しい状況になった場合、介護施設への入居が選択肢の1つに上がってくるかと思いますが、我々みんかいがご紹介しているのは民間施設の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅になります。

今回は、民間施設ではなく社会福祉法人や医療法人が運営し、地方自治体が管轄の特別養護老人ホーム(特養)について深堀りしていきたいと思います。

特別養護老人ホームとは

特別養護老人ホームという名前で知られていますが、これは老人福祉法での名称で、介護保険法では『介護老人福祉施設』と言います。在宅での介護が困難になった要介護の高齢者を受け入れ、食事・排泄・入浴などの日常生活のお手伝いから健康管理、機能訓練などのサービスを提供しています。

公的な施設ですので、有料老人ホームと比べて入居費用が安価です。長期の入居が可能で看取りの対応もしていることから、入居を希望する方が多くいらっしゃいます。

私たちのところにご相談にいらっしゃるお客様の中にも、特別養護老人ホームへの入居を希望される方が多いです。

サービスの内容について

特別養護老人ホームのサービスの内容ですが、都道府県知事などが定めた『特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準』によって決められています。以下の通りです。

 ・日常生活の介護(食事・排泄・入浴などの介助、病院への付き添い、健康管理)

 ・緊急対応、安否確認

 ・生活支援(洗濯や買い物など)

 ・レクリエーション、アクティビティ(体操など、リハビリにつながるもの、季節行事)

 ・看取り(本人が望む最期に向けたターミナルケア、家族の同意に基づく看取り)

特別養護老人ホームの居室について

特別養護老人ホームの居室の種類は、いくつか種類があります。

・ユニット型個室(個室 +共同生活室)

・ユニット型個室的多床室(個室的多床室 +共同生活室)

・従来型個室(個室)

・多床室(準ユニットケア加算)(プライバシーに配慮した個室的な しつらえ +共同生活室)

・多床室(4人部屋)

ユニット型個室は、1室1ベッドの居室タイプです。ユニットとは、ダイニングやキッチン、トイレなどを共有して共同生活を送る10人以下のグループを指します。1ユニットごとに専任の介護職がつく仕組みで、近年はこのユニット型の特別養護老人ホームが増えてきています。多床室は、1室に複数のベッドが配置されているタイプです。

費用が重要

費用について

特別養護老人ホームを利用する際の月額費用は、施設サービス費のほか、居住費・食費・日常生活費(医療費・理美容代・被服代など)がかかります。ただし、クリーニングを必要としない私物の洗濯や、おむつ代(尿取りパッドなども含む)は施設の負担となります。

厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」によりますと、目安として要介護5の利用者の場合、多床室で約10万円、ユニット型個室で約13万円程です。

有料老人ホームなどへの入居が困難な低所得者や生活保護受給者でも入居ができるように、利用者の負担が軽くなる軽減制度が設けられていたり、個人の収入や年金額に応じて負担が軽くなる特定入所者介護サービス費という制度が存在します。

有料老人ホームと比べて、費用面で利用しやすいというところから、申込者が多く、地域によっては待機者が300人を超えるところも多々あります。介護が必要な状態で、待機者300人となるとすぐに入居することは現実的ではないため、特別養護老人ホームに申し込みをしつつ、順番が回ってくるまでの間は有料老人ホームを利用するお客様も多いです。

入居の基準と条件

特別養護老人ホームの基本的な入居条件は、原則として65歳以上の要介護3以上の高齢者、または要介護1や2で認知症や家族の支援が期待できないといったような、特例入所の要件に該当する方を対象としています。また、地域密着型施設ですので、特別養護老人ホームのある住所地に住民票がある方が優先となります。他にも施設ごとに基準や条件があり、自立した生活が困難な状態にあること、身寄りがないなど、介護者が身近にいないことなどが重視されます。

看護職員の24時間配置は義務付けられておらず、医師も常勤していない為、常時医療的なケアが必要な方は施設によっては断られる場合があります。こちらに関しては有料老人ホームでも同様ですが、有料老人ホームは運営会社によって24時間看護師を配置していたり、クリニックが併設されているなどして、医療的なケアが必要な方も受け入れている施設もあります。

メリット・デメリットについて

最大のメリットは、民間の施設に比べて格段に安価であることです。入居一時金も必要ないので、自己負担額をかなり抑えることができます。

デメリットとしては、待機者が多く入居まで数年待ちというケースが珍しくないことです。2015年の制度改正で、原則として要介護3以上の方でなければ新規申し込みができないようになりましたが、それでも待機者は多いままというのが現状です。

みんかいでは、公的施設である特別養護老人ホームのご紹介は出来ませんが、民間の施設との違いや、特別養護老人ホームの入居条件、メリット・デメリットなども必要に応じて説明させていただきます。将来の施設選びの際にぜひお役立てください。

首都圏相談室室長 村上理絵