みんかい | 民間介護施設紹介センター

高齢者身元保証サービス ~身元保証って何?~ ご利用事例  (施設入居の場合)

老人ホームで介護を受ける高齢女性の写真

前回は在宅生活の身元保証の事例をご紹介しました。今回は施設入居されている方の事例をご紹介します。その前に、施設に入居する際の身元保証の現状についてお話します。

 平成29年にみずほ情報総研(現みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社)が行った厚生労働省の調査委託事業によると、高齢者が介護施設に入居する際、身元保証人がいない場合は受け入れを拒否する施設が3割に上ることが分かりました。

 この調査では、身元保証人に求める役割として「緊急時(事故等)の連絡先」、「亡くなった場合のご遺体、遺品の引取り」、「入院する場合の入院 手続き(入院契約)」、「施設利用料金の支払、滞納の場合の保証」の回答が多くありました。ご家族がいる場合は、ご家族に身元保証人になってもらうことが一般的ですが、子どもや親族と疎遠、子どもが遠方に住んでいる、高齢で身元保証人になれないなどの場合は、身元保証会社を利用することが多くなっています。

 これまでは家族が身元保証人の役割を担ってきましたが、最近は子どもに迷惑をかけたくない、それならお金を払って身元保証人になってくれるところにお願いしたいと考えられる方も増えてきています。またこれから身元保証会社を検討される方でお子さまがいない又は親族と疎遠な場合は、亡くなった後の事も合わせて検討されると良いでしょう。 

 身元保証だけでは亡くなった後のことはカバー出来ませんので別途備えておく必要があります。ご葬儀やお墓のこと、資産をどうしたいのか(お世話になった人や団体への寄付など)を決め、遺言や死後事務委任契約を締結しておくと安心できます。

 身元保証会社のオプションでも用意されている場合があるので担当者に相談したり、弁護士や行政書士などの専門家に相談して、自分はどうしたいのか、その想いを実現する法的手続きを元気なうちに備えておくのが良いでしょう。 

手を組むスーツ男性の写真

 

■ 身元保証エピソード(施設)
・80代 女性


 ご子息は海外勤務の為、施設入居に際し緊急連絡先となる身元保証人をお願いしたいと依頼を受け、身元保証を開始しました。施設入居のきっかけは、今まで住んでいた賃貸住宅が老朽化により建て替えとなったことです。4階の住居はエレベーターがなく高齢者が移動するには大変不便でした。

 施設入居の準備は、ケアマネジャーやヘルパーの方が手伝ってくれ無事施設へ入居できましたが、賃貸住宅の退去は管理会社との立合いと書類への署名が必要でした。そこでご本人から委任状を頂き代理で対応しました。

 施設に入居して間もなく、施設の担当ケアマネジャーから洋服や下着が全然足りないので、対応してくれないかと連絡がありました。施設の職員や入居前のケアマネジャーに確認したところ、施設入居前にもう必要ないとご本人が捨ててしまったそうです。

 施設の職員に必要な衣類や下着、サイズ、好みの色などを確認してもらい、ご子息に相談し代理で購入することにしました。その後自分で洋服は選びたいと希望があったので、現在は高齢者衣類を扱っている通販のカタログを施設の担当ケアマネジャーと一緒に見て相談しながら選んで頂いています。「『こっちの洋服が良いかな?』って話しながら決めたんですよ。」と施設の担当ケアマネジャーは注文の依頼の際にその時のご様子を教えてくれます。その話を伺うと、施設の方の親身な対応にこちらも安心します。

 そのご様子などをご子息にもお伝えすると、「母が施設の方にも親切にして頂き、楽しく過ごしているようで感謝しています。」とご子息も安心されているお返事を頂きます。当初、ご子息は事務的な対応でしたが、定期的に私どもからお母様のご様子やサポート状況などをご連絡していたところ、最近はお母様の事を気遣うメールを頂く様になりました。

 ご子息が今度訪問の時に母の好きな白い粉の付いた干し柿を差し入れして欲しいと仰っていたので、施設の担当ケアマネジャーに相談し差し入れさせて頂きました。ご本人はなぜ自分の好物を知っているの、と驚いていましたが息子様からお聞きしたことを伝えると、「あの子がそんなことを言っていたの」と顔をほころばされていました。
 

干し柿のイラスト

 
【施設入居前のサポート】
・賃貸住宅退去立合い
・在宅時ケアマネジャーや施設の担当ケアマネジャーとの連絡・調整

【入居後~現在のサポート】
・緊急連絡先対応
・緊急時対応(緊急受診)
・緊急受診後検査の為、病院同行
・眼科通院同行、薬受け取り
・衣類、日用品の代理購入、施設お届け
・施設の担当ケアマネジャー、ご子息との連絡

【身元保証会社を選ぶ際のポイント】
 身元保証には、監督官庁がなく、法的制度がありません。その為、ルールや基準はなく、サービスの内容は千差万別です。会社によりサービスの内容が違う、割高、知らない間に身元保証以外の契約がされていたなど苦情も相次いでいます。

 また身元保証の業務の他にも事業を行っている会社が身元保証を行っている場合もあり、高齢者の身元保証についてよく知らない人がサービスを提供していることもあります。

 このように身元保証会社が提供するサービスの比較が難しく、契約内容も明確でない場合があります。
 家族の代わりに色々サポートしてくれる身元保証ですから、納得して安心できる所にお願いしたいですよね。
 身元保証を選ぶ際には、身元保証会社を複数社比較し、それぞれの契約内容を料金、サービスの内容等に分けて何回か説明を受け、十分理解することが重要です。その為には地域包括支援センター又は親族に相談し、ダブルチェックすると良いでしょう。

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