みんかい | 民間介護施設紹介センター

みんかいスーパーバイザー奮闘日記その③

みんかいのフランチャイズ企業の募集、指導をしているスーパーバイザーの内山です。

北は札幌、南は福岡のエリアまで日々飛び回っております。

最近、あるエリアのフランチャイズ企業の相談員が悩んでいました。

見学にお連れする事はできるけれど、お客様がホームへの入居を決めきれないのだそうです。その相談員は、とても人当たりが良く、真面目で、多数のホームを見ており知識も豊富ですが、そんな悩みを抱えておりました。

詳しく聞いてみると、お客様は施設見学までいくのですが、その有料老人ホームに決められない。結果的にもう少し在宅で頑張ってみるという事になります。

在宅介護で、継続して安心して生活できればそれでも良いのですが、ほとんどの場合、在宅介護が困難で、有料老人ホームという選択肢をとる事になった場合が多いので、その入居のタイミングを逃して、事件(詐欺など)や事故(ボヤ騒ぎ、徘徊による交通事故)に巻き込まれたという話は良く聞きますし、実際、私のお客様でも入居のタイミングを逃し、その結果、事故や事件に巻き込まれた方は数人おります。

振り返れば、あの時が有料老人ホームへの入居の絶妙なタイミングであり、私が有料老人ホームの紹介センターの相談員の立場として、相談者様の背中をしっかりと押していれば、あんな事にはならず、今も笑顔で楽しく生活されていたのかもしれないな…。そんな対象者様のお顔が今でも浮かびます。

男性から説明を受ける老夫婦の写真

【入居を先延ばしにしたケース】

92歳のお父様の介護していた娘Aさんの相談をうけていた当時を思い出します。

お父様は要介護④のほぼ自立。奥様のご逝去により急激に認知症が進行し、徘徊、被害妄想、短期記憶喪失の症状が激しくなってきていました。

相談者であるAさんはお父様思いの娘様でした。

お母様と一緒にお父様の介護を頑張ってきましたが、お母様が心筋梗塞でお亡くなりになられてから、お父様の認知症が急激に進行してゆきます。特に徘徊がひどく、一人で外出させるのは危険なので、日中は訪問介護をフルに利用して、夜間は娘様が仕事も忙しい中、お父様の介護をしておりました。

その状況を見て、私に連絡を下さったのはケアマネジャーさんでした。

この娘様の心労がかなり激しく、お父様も徘徊や暴言、被害妄想も急激に進んできているので、内山さん、早急に有料老人ホームを探してあげてくださいとケアマネージャーさんに頼まれた記憶があります。

1人娘であり、とてもお父様思いの娘様。

父には年金や預金があるし今まで頑張ってきたのだから、有料老人ホームに入るならば入居金や月額費用が少しぐらい相場より高くても良いので、介護面や、従業員の教育が行き届いて、特に認知症の対応がしっかりできる有料老人ホームが良いとご希望でした。

私の中で2~3の有料老人ホームに絞り、私も娘様と見学に同行し、ホームを選ぶお手伝いをさせていただいた記憶があります。

しかし娘様から、悩んだ結果、最終的にやっぱりもう少し在宅でがんばると連絡が入ったのです。娘様はお父様の有料老人ホームの施設入居を決めきれず、精神的に追い込まれながらも、在宅介護に戻りました。

忘れもしない、その2週間くらい後のことです。

お父様が夜間の徘徊で交通事故に遭遇してお亡くなりになり、その数日後、娘様も精神的な過度な疲労からか、脳梗塞で倒れて、発見が遅く、亡くなられてしまったのです。

座り込む女性の絵

この事は、私の何千もの相談業務の中でも、忘れることができない相談事例の一つになります。

今思えば、あの時、あのタイミングで、もっと娘様の背中を強く押しておけば、良かったと。

有料老人ホームに入居する事、親を有料老人ホームに入れる事に対して、娘様の罪悪感、葛藤を取り除いて、心、気持ちを楽にしてあげていれば、こんな事にならなかった。

今頃、有料老人ホームでプロのヘルパーさんに介護されながら、お父様も笑顔で楽しく生活する事ができただろうし、娘様もお父様の介護から離れ、良い関係性、距離感を保ち、娘様のご生活を過ごされていたのではないかと考えると、やはりあのケアマネージャーからお願いされたタイミングが有料老人ホームに入居するタイミングだったと痛切に感じます。

【入居が早すぎたケース】

逆に、有料老人ホームへの入居のタイミングが早すぎて失敗するケースもありました。

この事例も忘れもしない、ご夫婦入居のケースでした。

正確に言うと入居するタイミングが早くても、その方のお身体や環境に適したホーム選びをすれば特に問題ないのですが、この事例は私が説得できず、自立の奥様をご主人様と一緒に有料老人ホームの介護付き2人部屋に入居させてしまったからです。

お子様がいないご夫婦で、88歳要介護③の旦那様の介護を、78歳自立の奥様がされておりました。ご主人様の認知症が進行して、夜の介助も奥様の体力ではだんだん厳しくなってきて、有料老人ホームという選択肢を選ぶ事になり、相談に来られたことを思い出します。

相談者である奥様はとても料理や洗濯が大好きで、まだ介護施設には早いので、ご主人様だけ近隣の有料老人ホームの介護付きに入れる事を提案したのですが、奥様がどうしてもご主人様と離れたくない、なおかつ2人部屋に入居したいと希望されました。

2人部屋のリスクを何度もお話したのですが、奥様のお気持ちは変わらず、最終的にご希望通り2人部屋への入居に至りました。

始めは、ご夫婦仲良く同じお部屋で生活されていたようですが、お元気だった奥様の方も数か月後認知症を発症しました。症状は日ごとに進行して、旦那様より認知症の症状が重たくなってしまいました。

お食事を作ったり、掃除、洗濯が大好きだった奥様が、ある日突然、至れり尽くせりの有料老人ホームの介護付きに入居する事で、できる機能が衰え、急速に認知症が進行した事例ではないかと思います。

できる事は自分で行う事と、やりがい、生きがいなどを捨てずに大切にしないと、今回の事例のように、認知症が進行したり、お身体の状態が悪くなると感じました。

女性に介護される男性の絵

有料老人ホームへの入居が遅すぎてもダメ、早すぎてもダメ、なかなかそのタイミングって難しいですね。ただ、今まで多くの入居相談に関わった私の経験では、老人ホーム入居のタイミングって、お客様が私どもへ相談しようと思われた、まさしく今なのだと思います。

【今でしょ】という言葉が一時期流行りましたが、その通りかもしれません。

話ははじめに戻りますが、お客様が入居を決めきれないことに悩んでいたフランチャイズの相談員。彼が自信を持ってお客様にホームを勧めていない事が、実はお客様を不安にさせて迷わせている理由でしたので、先輩としてその点のアドバイスをしました。

時には、このタイミングで有料老人ホームに入居しないと危険であり、そのホームの介護の質や良い所を自信を持って説明して、お客様に安心して頂くことも大切だと伝えました。

まだ早いからもう少し自宅でも良いのでは、と相談者に伝える事もあります。

有料老人ホーム選びのプロとしてその見極めが大切であると思っています。

みんかい 内山寿幸

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