みんかい | 民間介護施設紹介センター

高齢者身元保証サービス ~身元保証って何?~ ご利用事例  (在宅の場合)

在宅介護を受ける高齢男性の写真


あなたは身元保証という言葉を聞いた事がありますか?
身元保証は様々な場面で求められることがあります。
例えば家を借りる時、就職する時、入院する時、高齢者施設に入居する時などです。

そもそも身元保証とは何でしょうか。

・広義の身元保証人(債務保証、緊急時や医療機関・施設との連絡・調整など)
・身元保証法の身元保証人(雇用関係損害補償、身元の証明)
・身元引受人(亡くなった際のご遺体の引き取りなど)
・連帯保証人(民法:賃貸借契約等債務保証)
・保証人(民法:賃貸借契約等債務保証)

 一口に「身元保証」といっても様々な意味がありますが、明確な定義はありません。
契約する相手が求める役割によってその意味は異なります。例えば高齢者施設との契約で「身元引受人」と記載があっても、その内容に連帯保証が含まれている場合もあります。

 もともと身元保証は、江戸時代に奉公人の逃亡防止や損害賠償の担保の為に身元保証人をつけたのが始まりと言われています。その後、明治・大正になると就職採用時の債務保証として身元保証を求めることが一般化しました。
連帯保証人は債務者と同等の責任を負うことになり、特にその責任が重く、連帯保証人が自己破産するケースも多くありました。

 そこで2017年の民法改正では個人が連帯保証人になる場合は極度額(債務の合計額の限度)を定めることが義務化され、限度額の定めのない契約は無効となりました。皆さんが高齢者施設に入居する場合や身元保証人になる場合は、契約内容はどうなっているのか、極度額はいくらかなど確認されると良いでしょう。


【身元保証の最近の動向】
 昨年、総務省がまとめた統計によると、日本の総人口に占める65歳以上の高齢者は3,640万人で総人口に占める割合は29.1%と過去最高を記録しました。この割合は今後も上昇を続け、2040年には35.3%になると見込まれています。
国立社会保障・人口問題研究所によると今後も高齢者世帯は増加傾向を持続し、2040年には高齢者世帯は総世帯の3割に達し、このうち単身世帯は高齢者世帯の半数を占めると推測されています。

右肩上がりグラフ



 この様な現状を反映しているように、おひとり暮らしの高齢者の方から入院手続きをしてくれる人がいない、入院中に必要な物など持ってきてくれる人がいない、何かあった時助けてくれる人がいないなど、不安を抱えて相談されることが増加しています。またケアマネジャーやヘルパーの方から、利用者の方が緊急搬送された時入院の書類を書かざるを得ない状況があり大変困ったというお話を伺うこともあります。

 成年後見センター・リーガルサポート(平成27年発表)の調査結果によると、「保証人を求めている病院は95.9%、高齢者施設では91.3%といずれも90%以上の病院や高齢者施設で身元保証人を求めていることが分かります。

 入院に際して身元保証人がいないことのみを理由に拒否することに関して、厚生労働省より通達が出ていますが、慣習として、また入院や入居に係る滞納・支払不能、本人の能力が衰えた場合における身上保護および財産管理に関するリスクを回避する上で身元保証人を求めるケースは多く存在します。

 では具体的に身元保証ではどんなことをしてくれるのでしょうか。

案内するスーツを着た女性の写真




■ 身元保証エピソード(在宅)
・70代 男性

 脳梗塞で入院後、バリアフリーの高齢者向け優良賃貸住宅に転居された方の身元保証を当法人で行っています。脳梗塞になる前は会社を退職後畑仕事などをしながらアクティブに過ごされていましたが、自宅で脳梗塞になり緊急搬送されました。その時は、声が出なくなり自身で救急車を呼ぶことが出来ず、友人にメールし救急車を呼んでもらったそうです。

 退院後は今の自宅は段差があり車椅子での生活が出来ない為、転居する必要がありましたが、ご本人は独身で親族は東北地方に住んでいるので誰もこれからの生活をサポートする人がいないという問題がありました。一番の問題は、月1回通院が必要になることでした。そこで私どもの身元保証サービスを利用し、緊急連絡先はもちろん、毎月訪問し病院の受診同行をすることになりました。

 ご本人にとって一番の不安は、また倒れたときに声が出なくなって救急車を呼べなかったらどうしようという事でした。この不安については、本人とケアマネジャーと相談して以下のように決めました。

1. 誰か近くにいたら救急車を呼んでもらう
2. 誰もいないが声がでる時は自身で救急車を呼ぶ
3. 誰もいなくて声が出ない場合は、担当者に電話やショートメールを送り、担当者が救急車を呼ぶ

 何かあったら救急車を呼ぶことを優先することにしました。その後で私たちが搬送先に駆けつけ、入院手続きや必要なことを行います。以前入院した際に必要な物を探すのが大変だったので、通帳の場所や持ってきて欲しいものなどを記した紙の保管場所も伺っているので、いつ入院になっても安心です。ケアマネジャーとも何かあったらどう対応するのかについても情報共有し、協力してもらえる体制を作っています。

 脳梗塞の後遺症で右半身麻痺、言語障害はありますが本人は、「体は不自由になったけど、今の生活が一番幸せ。ケアマネジャーやヘルパーなど皆が支えてくれている。何かあってもあなた達がいるから安心。」と仰っていました。病気から1年、現在は自分が亡くなったらどうなるの?という心配があるようです。

【退院前のサポート】
・自宅の家財処分
・新しい住居への引っ越し、生活用品の購入
・病院ソーシャルワーカーやケアマネジャーとの連絡・調整

【退院後~現在のサポート】
・緊急連絡先対応
・障がい者手帳の申請(区役所に代理手続き)
・ゴミ収集事業の申請、立合い
・賃貸住宅の年度更新手続き、銀行同行
・月1回の通院同行、薬受け取り
・コロナワクチンの接種同行
・ケアマネジャーとの連絡



次回は、施設入居されている方のエピソードをご紹介します。


NPO法人都民シルバーサポートセンター
東京都世田谷区太子堂1丁目12-39 三軒茶屋堀商ビル3階
フリーダイヤル:0800-222-3008
ホームページ:https://tsugusapo.com/