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入居先の老人ホームは決まったが本人が首を縦に振らない

長い間、暮らしていた自宅からホームへ転居する理由は、十人十色、様々です。
その中で、私の経験からお話しすると、大変残念ではあるのですが、その多くは、家族がまず先に入居を決断し、
その後、本人を説得するというパターンが多いと思います。
当たり前の話ですが、自分のペースで誰にも干渉されずに自由に暮らせる自宅は、居心地がいいものです。

歳を重ねると、誰しも自立した暮らし(ある程度も含む)は、ままならなくなってきます。
何らかの理由で、家族らによる日常的な支援が難しくなると、いくら在宅介護支援サービスを使っていても、
限界を感じ家族は介護施設(有料老人ホームを含む)を探さざるを得なくなります。
しかし、入居先ホームが決まったとしても、その先、ご本人が「行きたくない!」と抵抗し、
家族が困惑するケースを、今まで私は多く目撃してきました。

そこで、今回は、本人による入居拒否の実例を挙げ、
どのようにアプローチをして老人ホーム入居へ導いたのかを説明したいと思います。
同じような事情で悩んでいる関係者の方々の参考になれば幸いです。

・本人に施設の話をしたらどんな反応になるのかしら?

みんかい相談員の相談記録より


 *状況説明
 何でもないのに救急車を呼んだり、徘徊して警察に保護されたりと問題行動が多々ありました。
 その度、家族は消防署や警察に謝りに行きます。
 さらに、長女は、近所の住民からも度々注意の電話を受ける有様です。

 隣町でご主人の両親と同居している長女は、仕事も忙しく、その上、中学生を筆頭に子供が3人もいる為、
 母親と同居することは難しい状況です。
 したがって、長女は母親を老人ホームに入居させる以外に方法は無いと感じています。
 しかし、母親に老人ホームの話をすれば、絶対に拒絶されるだろうということも分かっています。

 *本人情報
 【住環境】独居
 【既往】認知症・高血圧
 【介護度】要介護② 認知症状あり
 【年齢】八十三歳【性別】女性
 【介護支援】週2回の通所介護と訪問介護サービスを利用中
 【キーパーソン】隣町でご主人の親と同居している長女

・本人に施設の話をしたらどんな反応になるのかしら?

・反対されたらどうしよう………

・本人が納得しないとダメかしら?

解決策~母親に老人ホームの話をすれば、絶対に拒絶される。

①入居予定の老人ホーム側のスタッフを巻き込み母親を説得する

老人ホームに対する要望を整理することが重要です。ノートに書きだしてもよいと思います。
具体的に母親のどこに困っているのか?を老人ホーム側のスタッフに説明することで、
老人ホーム側から適切な協力を得ることが可能です。
老人ホームの介護職員は、似たようなケースをたくさん経験しています。

例えば、本件のケースでは、
老人ホームのケアマネジャーが
・「温かくておいしい食事が出ます!」
・「食事だけでも食べに来てください!」
・「みんなで料理も作りますよ。」
と話をして、母親を老人ホーム入居に向けて前向きになるように導いてくれました。

②母親が信頼している「人」を巻き込み説得する

母親が信頼を置いている人から話をしてもらうことも一つの手段です。例えば、かかりつけの医者や檀家になっているお寺の住職、母親が所属していた団体、
組織の同僚や部下などがそれにあたります。
私の経験でも、毎日手伝いに来ていた元同僚が
「最近は私まで体調悪く、来られなくなる日がいつ来るか私も不安。そしたらあなたも困るでしょ。」
とはっきり伝えていたこともありました。
母親が信頼している人からの助言やアドバイスにより、以外にもスムーズにホーム入居を
承諾するケースは多々あります。

・みんかいに相談してみよう

最後に一番重要なことを言っておきたいと思います。

それは、家族が主体となって老人ホームを探している場合、100%本人が納得して入居に至るケースは、
皆無であるということです。
  ・例えば、若い頃、苦労に苦労を重ねてやっと手に入れたマイホームから離れたくないと思う方がいます。
  ・例えば、家族との思い出がたくさん詰まった家から離れたくないと思う方がいます。

当然、誰しも自宅に愛着はあります。自宅は、何より本人にとって、居心地がよいものです。
しかし、現実は、加齢による身体の変化や家族などの置かれている環境などで、自宅で生活を継続して
いくことが難しい高齢者がいます。
もちろん、様々な条件があると思いますが、本人と家族がお互いに安心でき、平穏な生活を送る為には、
老人ホームへ入居するという決断も決して悪いことではないと思います。

入居前には、猛烈な拒否がみられ、それでも何とか入居された方が、入居後、すぐに落ち着かれ、
今では老人ホーム内の暮らしに馴染んでいる方を私はたくさん知っています。

みんかいに来られる相談者の事情は十人十色。お一人おひとりの抱えている環境や悩みに寄り添い、
一番良いと思える解決策を「みんかい」では、日々、ご提案させていただいております。
                                       (文 みんかい 加藤春奈)