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老人ホーム入居先を選ぶ際の注意点
老人ホームの入居先を選ぶ際の注意点
皆さんはご家族、ご自身が「老人ホームへ入居する」という事について、どれだけ真剣に考えたことがあるでしょうか。自分の両親が元気なうちには全くと言ってよいほど、老人ホームに入居する、入居させることなど想像もしないことだと思います。今回は、老人ホーム探しをする上で注目すべき項目についてご紹介させていただきます。
老人ホームの入居先をどのように探すか。
老人ホームを探す際に様々な方法で調べると思いますが、私たちが行っている「老人ホーム紹介会社」を利用される方は年々増加傾向にあります。しかし、一般の方で老人ホーム紹介センターという存在をご存じの方はまだまだ少数だと思います。いざ、ご家族やご自身に介護が必要になった時に、ゆくゆくは介護施設(老人ホーム)への入居を検討することになるかもしれませんが、どう探していけばよいのか?
誰に相談できるのか?自分では何から手を付ければ良いのかわからない!そういった方々に、大切なご両親、ご家族様の今の身体状況、今後の身体状況、さらにどのような老後を過ごしていくことが出来る老人ホームがあるのかをご提案しております。一口に老人ホームと言っても、様々なタイプがあります。何を基準にして老人ホームを探していけばよいのか、とても難しい問題です。
具体的にどうすればよいのか。
希望の場所、予算、医療体制、レクリエーション、リハビリなど検討する項目はたくさんあります。今は一昔前とは異なり、インターネットの環境もあり、パソコンが無くてもスマートフォンがあればご自宅でもどこでもすぐに調べることができるようになっています。老人ホームの紹介センターも多数存在し、どこの紹介センターを選ぶのかだけでも迷ってしまうくらいです。
そんな気軽に老人ホームを調べたりできるのだから、わざわざ老人ホーム紹介センターなどというものを使う必要はないのでは?と思われるかもしれません。実際に老人ホームをインターネットで検索してみてください。
確かに、老人ホームの場所、費用などは簡単に検索が出来ます。見栄え良くホームページも作られており、なんでも希望が叶えられるのでは?と思えます。しかし実際にはその中から、本当にご両親、ご家族に合っている老人ホームを探し出すことは容易ではないということがおわかりになるかと思います。
入居先を探すことが容易ではない主な要因。
① 老人ホーム入居の場所選び
今は核家族化で、大人数でひとつ屋根の下でのご生活をされている方は少なくなっています。当然、老人ホームに入居を検討されているご兄弟やお子様世代、お孫様世代の方は別々の地域でご生活されている方が多いのではないでしょうか。
そんな中、ご入居された後にご本人への面会や入院時の対応なども出てきます。ご家族皆様がそれまで在宅での介護に関して、平等に関わってこられているとも限りません。キーパーソンとなられている方がいらっしゃると思います。その方がメインで色々な対応をされていたとすれば、なにか急を要する状況になった際に、すぐに駆け付けることが出来る場所、またはご本人が永らくお住いになっていたことがあるなど愛着がある場所、自然がお好きで山や海が見える環境など様々に考えられます。
実際に入居のご相談を伺っている中で、別々の場所にいる家族の中間地点が良いのではないか?というお話もあります。そういう時には、私はキーパンソンとなっている方のお住いに近い場所をお勧めしています。夜間にご本人が急変し、老人ホームや搬送先の病院に行く必要があった場合、夜中なので公共交通機関は動いていません。タクシーや自家用車で動ける範囲が安心できる場所になるかもしれません。
② 老人ホーム入居の予算
予算に関しては、老人ホームを選ばれるときに一番重要になる部分かと思います。正直、入居に関する費用はピンからキリまでです。先ほど【老人ホーム入居の場所選び】でキーパーソンとなる方の近くが良いのではないかと書きましたが、特に東京23区のいわゆる高級住宅地のようなエリアでは、家賃が高額になります。
想像してみてください、利便性も良く、環境も良い一等地と呼ばれる場所で戸建て、マンションを購入または賃貸で住むとします…。土地の価格が高いため、当然賃料も高くなっていると思います。老人ホーム毎月の費用には、部屋の賃料、食費、サービス費などなど老人ホームにより多少中身は異なるものの、大きなウェイトと占めてくるのが「賃料」です。
この「賃料」が場所によって通常の戸建て、マンションのように開きが出てくる部分です。施設運営会社が同じ老人ホームであっても、場所が違えば当然毎月の費用にもこの差が生じます。建物や介護内容、その他が同じでも異なる費用の場合がほとんどですので、予算を重視される場合には、気に入った老人ホームがあるが費用面で悩まれるときは、都心か多少離れても賃料分が安く、それでも内容は同じ郊外にある同運営企業の老人ホームを選択するのも良いかもしれません。また、老人ホームに入るには最初にかかる費用、いわゆる入居金が高いのでは?と思われるでしょう。
確かに昔は必ずと言ってよいほど入居金がありました。現在は入居金(賃料の前払いという性質)を支払い、毎月の費用を抑えられるプランや、入居金は0円で月々のみの支払いでご入居いただけるプランを選択できるようになっている老人ホームも多くなっています。数年分の賃料(多くは5年分程度)を前払いしてしまうため、その間の毎月の費用を抑えることができます。多くは5年程度の償却期間で入居金は毎月均等に償却されていきます。償却期間内でのご退去があった場合には、残りの月数に応じて返還金がきちんと発生します。
また、ほとんどの老人ホームでは、償却期間終了後には再度の入居金の支払いは必要無く、初めに選んだプランの月額費用でその後も継続入居できるため、ご年齢も若く、長くご生活されることが想定される場合には、結果として費用の総支払額を抑えることができるようになっています。
逆にご病気などで、いつご入院によって、元いた老人ホームに戻れなくなるかわからないという方や、100歳に近いご高齢の方で今後5年以上のご入居はあまり現実的ではないという方が入居金をお支払いするプランを選択する大きなメリットは少ないと思います。多少毎月の費用が高めに見えても、月払いのプランが選択可能な老人ホームであれば、そちらを選択する方が良い場合もあります。その方がどれだけの期間お住いになるかは正直わかりませんが、ご年齢やご病気、ご予算などを考えながらご紹介させていただいております。
③ 医療対応・レクリエーション・リハビリなど
ご入居されるご本人のご病気、趣味やリハビリを必要とするのかそうではないのかによっても、老人ホームの選択は変わってきます。多くの老人ホームでは看護師が朝の8時台から19時頃までのいわゆる日勤帯で常駐しています。よくあるのが、食事が飲み込むことが難しく、直接胃にチューブから栄養を流し込む「胃ろうと」呼ばれるような経管栄養の方は、たんが絡みやすくなり、吸引が必要になります。
この行為は、医療行為にあたるため看護師が行わなければなりませんが、一部の老人ホームでは看護師以外に、研修を受けた介護職員が行っている場合もあります。頻度にもよりますが、看護師がいるときだけに必要とも限りません。そんな時は看護師が24時間常駐する老人ホームや、研修を受けた介護職員が夜間帯もいる老人ホームを選択する必要があります。
ご本人のこれまでの趣味や、脳梗塞などの後遺症により継続したリハビリが必要だという方には、お好きな趣味に関するレクリエーション活動がどのように行われているのか、リハビリの専門家(理学療法士や作業療法士、柔道整復師)による集団、個別のリハビリが受けられるのかなどの確認も必要です。
(文:みんかい事業推進部 松野)
意外とできることも多い!有料老人ホームのくらし
皆様は有料老人ホームの生活にどんなイメージをお持ちですか?
相談員が家族や本人にお会いした時、はじめに有料老人ホームに対する印象について伺うと
「ルールや制限が多そう」
「何もしなくなる(できなくなる)のでは」
「なんか暗そう、気が滅入っちゃいそう」
という声を聞くことがあり、昔の老人ホームのイメージが今も根強く残っていると感じます。
最近の有料老人ホームでは、≪ありのまま、自分らしい生活≫に趣を置いているところも多く存在します。
例えば、「父親はたばこを毎日吸っているが、施設に入居したら禁煙しなければいけないのか。」
という相談で、実際に探してみると、喫煙可能な有料老人ホームは多く、中にはホーム内に喫煙ルームを
設けているところもありました。
自宅ではごく自然で本人にとっては当たり前の生活ですが、家族にお話しすると
「え!老人ホームでも続けてもいいのですね。」と驚かれていました。
ここでは、このようにお客様が実際に驚かれた、イメージとは異なった
有料老人ホームの対応に関していくつかご紹介させていただきます。
と、その前に・・・
なぜ老人ホームはイメージが悪いのか? (イメージと現状に差があるのか?)
まず、多床室で暗い場所などの印象をお持ちの方は、直近で介護施設に携わったことがなく、
自身が若い頃に家族や親戚が入っていた病院のような昔の施設の印象がずっと残っていると考えられます。
また、実際に公的施設を利用された経験のある方にはその時の印象が強い方もいます。
例えば、特別養護老人ホームは要介護度が高い方しかご入居できないため介護職員の人手がいくらあっても足りず、
介護をするのに精一杯で柔軟に一人一人の要望を聞くのは難しい状況です。
老人保健施設やショートステイのような短期入居を目的としているところも同じで、食べ物の持ち込みの禁止、
持ち物や酒たばこの制限など、入居者と施設側の安全を守るために制限をしっかりと設けているところが多いです。
その一方で民間施設である有料老人ホームは、競争が激しく競合他社と差別化が必要なため、
厚生労働省で決められた基準を満たした上で様々なサービス内容の工夫をしています。
例えば、
・入居条件が自立や支援から可能であったり、
・介護職員の人員配置の手厚さや
・設備、医療体制など、
運営会社が経営方針の基、幅広くサービスを展開することができます。
そのため、有料老人ホームでは≪ありのまま、自分らしい生活≫ができるホーム探しを実現できます。
実際にお客様からご要望があった質問をまとめてみました。
老人ホームってどんなところ?
1、老人ホームってどんなところ?自由に外出・外泊したい!
許可をしているホームは多いです。
(自身で外に出ることが難しい場合は家族の協力が必要です。)
入居者の中には、家族が面会に来た際に外食へ行ったり、友達とおでかけに行ったり、
年末年始は家族と自宅で過ごされる方や、家財整理のため毎週自宅に帰る方もいらっしゃいました。
老人ホームに入居したからと言って家に帰れない、外に出られないわけではありません。
2、老人ホームってどんなところ?お気に入りの家具や好きなものを持ち込みたい!
火が出るものや刃物以外は大体お持ち込みができます。仏壇を持ち込みたい(ろうそくや線香は電子タイプを使用)、
お気に入りの絵画を飾りたい、マッサージ機を置きたい、毎日お化粧をしたいから化粧品を・・・など、
様々な方がいらっしゃいます。
冷蔵庫を居室内に置き、ごはんのお供に梅干しやふりかけを持ち込まれる方や好きな時にジュースや
お菓子を召し上がる方もいらっしゃいました。自分の部屋ですから、自分らしい生活をするために
こだわりの物がございましたら是非遠慮せずホームに相談を!
3、老人ホームってどんなところ?毎日お酒を飲みたい!
入居者の中には病気で禁酒している方がいる場合もあるので配慮も必要ですが、
例えば、夕食時に缶ビールでお出しするのではなくコップに注ぐ、部屋の中だけで飲んでもらう、
酒類はすべてスタッフがお預かりをするなど、あれやこれやと色んな方法を考え飲酒を可能にしている
老人ホームは多々あります。バーカウンターを設けている老人ホームでは、夜にお酒好きな入居者達が
集まり日々利用しているところもあります。
4、老人ホームってどんなところ?長年通っていた病院に通い続けたい!
特に高齢者の方ですと、何年もこの病院、この先生に診てもらっている・信頼していると話される方は多いです。
有料老人ホームには、往診医がついているところがほとんどで、主に内科の先生が月2回の定期受診と24時間
緊急対応をします。
しかし、こだわりの病院を変えたくないという方は、老人ホームと話し合いの元、通い続けることもできますし、
特定の病気によってはむしろそれが必要になることもあります。病院への通院は家族の協力が必要になるケースが多いですが、
老人ホームの中には、有料で通院をサポートしたり、協力医療機関の病院なら無料で送迎同行をしてくださるところもございます。
(文:みんかい 平野晃子)