みんかい | 民間介護施設紹介センター

有料老人ホームに対するみんかい入居相談者501人アンケートの報告書(その1)

タイトル 有料老人ホームに対するみんかい入居相談者501人アンケートの報告書その1

 本アンケートは、主に老人ホーム紹介センター「みんかい」の首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)相談室に、入居相談に来られた相談者501名に対し、NPO法人楽生が実施した無記名式アンケート結果のレポートです。アンケート実施と個人情報管理はみんかいにて、レポート制作監修は、NPO法人楽生にて実施しました。

 なお、NPO法人楽生は、みんかいの有志により、高齢者、特に要介護高齢者とその家族が、苦なく楽に生きていくための支援をすることを目的に設立したNPO法人です。

 紹介センター「みんかい」に相談にこられる相談者の多くは、居宅介護支援事業所、病院、地域包括支援センター、行政などからみんかいの案内を受けられた相談者です。したがって、その多くは、要介護高齢者である親を抱える子世代、または配偶者、ということになります。
※レポートの数値については、小数点第1位を四捨五入して表示しています。

はじめに

 平素は、老人ホーム紹介センター「みんかい」をご利用いただき、誠にありがとうございます。おかげさまで「みんかい」は、20年以上の長きにわたり、老人ホーム紹介センター事業をさせていただいております。まずは、この場をお借りして、相談者、及び日頃からみんかいを利用、活用していただいている関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。

 さて、この度は、みんかいに老人ホームの入居相談に来られたお客様に対し、期間限定で無記名式のアンケートを実施しました。アンケート総数は501名です。また、このような取り組みは、みんかいとしても初めての試みです。

 以下に本アンケートの目的や実施動機について簡単に説明をさせていただきます。また、本取り組みが、好評であれば、定期的に実施していくことも検討いたします。

 さらに、本アンケートにご興味のある関係者様からの問い合わせも歓迎いたします。ページの都合上、調査項目の一部の資料しか掲載できていません。また、別途、更なる詳細分析もしていく予定です。ご興味がある方(組織・法人)は、遠慮なく、お問い合わせください。

担当者:小嶋 勝利(こじま かつとし)
e-mail : k-kojima☆asfon.jp(メール送信時は☆を@に変えてください)

①介護保険3施設に対する入居相談情報は、多いと思いますが、有料老人ホームに対する入居相談に関する情報は、巷に少ないと感じています。

②日頃からお世話になっている経路先事業者様(みんかいでは、相談者をご紹介していただいている事業所のことをそう呼んでおります)に対し、なんらかの形で恩返しができないものかと考えました。そこで、ご紹介いただいた相談者の皆様の傾向や事情、現状という情報をフィードバックすることで、経路先事業者様の日頃の業務にお役に立てるのではないかと考えた次第です。

③みんかいにご相談者に来られる相談者にも、本レポートを提供させていただく予定です。ホーム探しにおける参考資料にしていただければと考えております。

④老人ホーム運営会社に対し、本レポートを提供させていただきます。今後の老人ホームの運営に役に立てていただければ幸いに存じます。

 本レポートは、今回の「入居対象者分析レポート」及び次回の「相談者分析レポート」並びに「総括レポート」の3部作とし、〝元気かいみんかい定期版〞の新・俯瞰的にみてみよう!のコーナーで掲載していきます。

 第1回目は「入居対象者分析レポート」です。無記名アンケートのデーターを中心に、有料老人ホームへ入居を希望している入居対象者像に対するレポートになります。なお、ここで言う「希望している」とは、対象者というよりも「相談者の希望」という場合が多いと考えております。

1. 入居対象者の年齢について

表1 入居対象者の年齢表
表2 69歳以下既往歴表

 入居対象者の年齢は、80歳台、90歳台の高齢者が全体の約80%を占めています。したがって、老人ホームの入居者の多くも、80歳台、90歳台であることが推察できます。少し詳細を見ていきましょう。

 80歳台の高齢者は、全体の53%、265人です。90歳台の高齢者は、全体の25%、124人です。 また、特筆すべきは、69歳以下の入居対象者も全体の4%、21人いることです。つまり、老人ホーム入居ニーズが、高齢によるADLの低下や認知症をはじめとする高齢者特有の症状の悪化だけではなく、比較的若年層であっても、脳疾患などによるADL低下や若年性認知症など高齢とは言えない年齢層に対し、適切な介護施設(介護を提供する機関)が存在しないことにより、仕方なく老人ホームへ入居せざるをえない現状があるのではないかと推察します。

 障害を持つ若年層を受け入れる介護施設が少ないため、その多くが「老人ホーム」という介護施設に仕方なく入居しているというケースがあるのだと推察します。しかし、排泄や入浴介助において、同性介助の徹底など対象者の人権を第1に考えた介護支援は、今の老人ホームスキームでは、なかなか、難しいのが現状です。

 本アンケート結果からも、このような高齢者とまでは言えない若年層障害者が、支援を受けることができる介護施設が、まだまだ十分ではないと考えます。

2.入居対象者の性別について

参考1 特別養護老人ホームの年齢と性別
グラフ1 入居対象者の性別

 入居対象者の64%は女性です。しかし、有料老人ホームの場合、同じような運営形態である特別養護老人ホームなどと比較した場合、男性入居者比率は制度上、高くなると予測できます。理由は、有料老人ホームには、特別養護老人ホームに整備させている「人の属性(資産状況や所得状況など)による利用料金等の免減措置」が用意されていないからです。

つまり、有料老人ホームの場合、長年、専業主婦など、いわゆる無職、無収入であった高齢女性に対し、なんら入居しやすい環境下ではない為、どうしても、女性の多くは、入居しやすい特別養護老人ホームへ入居するという判断が、少なからず存在していると推察できます。

 したがって、特別養護老人ホームの入居者男女比は、本アンケート結果よりも、約10%程度、女性比率が高くなっています。

(つづく)