老人ホームの探し方

施設紹介センターの相談員として年間400件以上のご相談をいただきます。ご相談ご家族の9割以上の方が老人ホーム探しは初めて。一生に1度2度あるかないかの大切な選択が…今まさにおこっているという老人ホーム探しに少しでもお役に立てればと思います。

老人ホームの探し方「要介護1・2・3・4・5」「介護度」の把握
老人ホームの探し方

「介護度」の把握

私達相談員が、日々お客様から老人ホーム探しのご相談をいただく中で、必ず確認させていただく項目の1つに「介護度」があります。「介護度」とは、どのような介護サービスがどのくらい必要なのかを判断する基準となるもので、介護区分は「要支援1・要支援2」と「要介護1・要介護2・要介護3・要介護4・要介護5」に分類されます。

老人ホーム探しでご来社いただくお客様にお父様やお母様の現在の介護度を確認させていただくと「介護認定を受けているのは知っているが、要介護の区分がはたして何なのかは分からない」「離れて暮らしているので、介護認定を受けているか受けていないかも不明」というご家族様も結構いらっしゃいます。

老人ホーム探しにとってこの「介護度」はホーム選びの際の判断基準の1つです。老人ホームの入居条件にはこの介護認定が要支援、要介護に該当しない「非該当」となった場合の「自立」の方から「要介護5」の方までを対象とした幅広い種類がありますが、中には一定の介護度以上でなければ入居ができないホームもあります。

老人ホーム探しにおいては「介護度」の確認が必須であること、また介護度をまずは確認されておくことで急な老人ホーム探しにおいても方向性がみえてくると思います。

介護認定を受けるにはどうしたらよいの?という方に。

介護認定を受けるには…。所定の手続き場所(市区町村の窓口や地域包括センター)にて申請を行い、後日認定調査員(市区町村の職員やケアマネージャーなど)がご自宅を訪問して、申請した本人の心身の状態や、日常生活、家族や住まいの環境などについて聞き取りを行い、判定調査の結果、申請から1ヵ月程で要支援または要介護に該当するかどうかの結果を受けることができます。(入院中でも調査員が病院まで訪問し、認定調査を行ってもらえます)

この介護認定を受けることにより入居ホーム内においても食事、排泄、入浴、服薬管理などの「日常生活を送る上での支援」や「自立を助けるための支援」が介護保険サービスを利用して受けることが可能です。

身体の状態をチェックする。

身体状態の目安は?

《要支援1》・・歩行や起き上がりなどの日常生活上の基本的な動作を自分で行う事が可能で、かつ、薬の内服、電話の利用などの動作を行うことができる。
(要支援2)・・食事や排せつなどはほとんどひとりでできるが、立ち上がりなど日常生活の一部に手助けが必要で、その軽減や悪化予防のために支援を要する状態。

《要介護1》・・(部分的な介護を必要とする状態)身だしなみや居室の清掃などの身の回りの世話に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
《要介護2》・・(軽度の介護を必要とする状態)立ち上がりや歩行、両足での立位保持などに何らかの支えを必要とする。排泄などに何らかの介助を必要とすることがある。

《要介護3》・・(中程度の介護を必要とする状態)身だしなみや居室の清掃などの身の回りの世話が自分1人ではできない。いくつかの問題行動や理解の低下が見られることがある。
《要介護4》・・(重度の介護を要する状態)歩行や両足での立位保持などが自分1人ではできない。排泄がほとんどできない。問題行動や全般的な理解の低下が見られる。
《要介護5》・・(最重度の介護を要する状態)寝たきりで排泄、食事、着替えなど日常生活全般において介助が必要。意思疎通が困難な状態。

老人ホームの入居条件

次に「入居条件」の整理をしましょう。絶対に譲れない条件とは

老人ホーム探しにおいてご家族が判断に悩まれる要因の多くが「今までインターネットで自分でも探してみたけれど、種類もさまざま、数も無数にあり、どんな違いがあるのか、何が違うのか、はたまたどこがあっているのか。何を基準に決めたらいいのか判断に迷う…」という声です。

確かにホームは星の数ほどあれど、老人ホーム探しにとって何より外せないのはご本人またはご家族のご希望条件とホーム側の入居条件もしくは入居対象の可否に合うかどうかこれを擦り合わせていくこと。こちらが大前提です。マンション選びとの大きな違いは希望するホームがすべて入居可能なホームに当てはまらない可能性があるということです。

例えば
「年齢」(60歳以上や65歳以上)(前述の)「介護度」また「身体状況」や「医療依存度」「保証人・身元引受人の有無」などホームは安心してお過ごしてしていだたくために安全面を考慮して十分なケアができるかを上記の状況を鑑みた上で入居判断を慎重に行います。そちらを踏まえた上で老人ホーム探しにおいて整理するポイントとなる代表的な条件(項目)には、⓵「入居時期」②「費用」③「立地(環境)」④「サービス内容・体制」⑤「施設の種類」があります。

細かく見ていきましょう。

⓵入居時期 
(病院入院中)
・退院を余儀なくされ退院期日が決まっている
・すぐではないが退院をしなければならない など
(老健入所中)
・退所期間の3ヵ月が近づいている。ご自宅での生活は困難
(ご自宅で生活)
・お1人での生活はこれ以上心配ですぐにでも
・熱くなる夏前には
・将来的に検討したい など

②費用
・入居時に必要となる入居金一時金・保証金・敷金の有無
・月額利用料の上限

③立地(環境)
・なるべく面会にいけるよう交通至便のよい立地
・住み慣れた土地
・自然の多い環境
・費用面も鑑みて など

④サービス内容・体制
・人員体制
・医療体制
・リハビリ体制
・生活支援サービス(外出時の送迎・付き添いなど)の提供の有無 など

⑤施設の種類
《介護付き有料老人ホーム》・・一般的には介護が必要な65歳以上の方が対象の施設ですが、介護が必要のない自立の方が利用できる混合型の施設もある。介護職員が施設に常駐し、食事の提供・掃除・洗濯、買い物代行などの生活援助と入浴・排泄・などの身体介助サービスを提供。身辺介護は24時間体制で手厚い介護ケアが受けられる。

《住宅型有料老人ホーム》・・食事や掃除、洗濯などといった生活援助サービスが受けられる。施設内に介護スタッフが常駐していないため介護が必要になったら訪問介護や通所介護(デイサービスなど)の外部のサービスを受ける。要介護度の高い方や医療依存度の高い方など入居の対象にならない場合もある。また要介護度が重くなると月々の負担が割高になる可能性も。

《サービス付き高齢者向け住宅》・・60歳以上の方が入居できるバリアフリーな高齢者向けの賃貸住宅。安否確認と生活の相談、ご希望があれば食事のサービスも提供される。介護が必要になったら外部サービスを利用し生活できるが、介護度が高くなると住み続けるのが難しくなる場合もある。

《グループホーム》・・認知症をもつ方のための小規模な共同生活施設。施設のある市区町村に住民票がある方のみ入居できる。専門スタッフのサポートのもと、可能な範囲で炊事・洗濯・掃除など役割を持ち自立した生活を行う。

七夕の短冊

良いホームとは何?

老人ホーム探しの施設に対するご質問の中で「良いホームはどれですか?」と直球で聞かれることが度々あります。ズバリ聞きたくなるお気持ちはとても分かります。が、こちらの質問には明確にお答えできないのが正直な答えです。なぜならご状態もご状況もご希望もお1人お1人違うからです。

特徴のあるホームは往々にしてありますが、状況(身体状況)・条件(期日)・ご希望(費用・環境・立地・希望されるサービス内容)はご本人またご家族ごとにすべて異なります。Aさんにとってご安心のできる条件(ホーム)でもBさんにとっては同じ温度感を感じない現象は多分におこります。

ご本人・ご家族にとって感じられるgoodが「良いホーム」に定義付けされます。このことからも老人ホーム探しの2番目としては何を優先して、どこを外さない条件とするのかの入居条件をご家族内で整理しお話しされていくと老人ホーム探しにおいての選択されたい方向性に近づいてくると思います。

今回は2つのポイントをお伝えしました。少しでもお役にたてましたでしょうか?

最後に「百聞は一見に如かず」シリーズ(←初めて)から1つ

都内のある有料老人ホームを見学させていただいた時の出来事です。七夕のイベントで入居者の方が書かれた色とりどりの短冊がホーム内に飾られていました。

流麗な字が並ぶ中1枚の短冊に目が止まり見ると「私は最初入居することが本当に嫌でした。家族にも強く抵抗しました。3ヵ月が経ち周りのスタッフさんにもよくしていただきここが家のような居心地のよい空間になりました。これからは何か目標を決めてそれを成し遂げたいと思います」

施設長からこの短冊の入居者の方が90才だと伺いました。この声がご家族に届いているかは分かりませんが、何だかとても安心した気持ちになり、私も負けてられないなと自分を鼓舞した瞬間でした。

(文:みんかい関東エリア 高峰相談員