みんかい | 民間介護施設紹介センター

老人ホームの見学時に、必ず確認をしなければならないこととは何か。

有料老人ホームを見学する時の注意とは?

長く有料老人ホーム探しのお手伝いをしていますと、よく『有料老人ホームを見学する時にはどのような点を注意して見たらいいの?』というご質問をいただきます。ような時に必ず『ご対象者様の立場に立ったつもりで見学してみてください』とお伝えしています。

健康で若いご家族様が見学する際に、「建物の綺麗・汚い」「新しい・古い」などに目が行きがちなのは仕方のないことだと思いますが、『最上階の南向きがいい』『近くにスーパーやコンビニがあって、できれば駅近がいい』とお考えになるより前に、その有料老人ホームの中での生活を考えることが重要です。実際は建物が介護するわけではありません。

建物の良し悪しも大事ですが、対象者様(ご入居予定者)の気持ちや身体状況に照らし合わせて質問をすることが、一番、入居して生活する際のイメージがつけられます。以下はその点を踏まえた確認ポイントです。

対象者の既往歴に合わせた往診医(診療科目)の状況

一昔前は「協力医療機関」への通院を施設職員が同行していましたが、最近は往診医(総合内科など)による定期受診(医療フォロー)が一般的となっています。よって、大抵の既往歴に対するフォローが可能となっていますが、どうしても専門医に看てもらわなければならない・・。などの状態には心もとないイメージがあります。

そのようなご状態の時に往診医の科目を確認しておくことが必要です。眼科、皮膚科、循環器内科、精神科、心療内科などの定期的フォローがあれば安心感が増しますね。どうしても受けなければならない通院の同行は可能?その際は無料?有料?なども大事になります。

医療体制は、必ず確認しなければならないことです。

対象者の希望するケアに対してどの程度応えてくれるの?

対象者の「認知症」の症状なら・・どのような点を注意してケアをしてもらえるのか?日中の過ごし方など、イメージすることができたら安心です。

同じ介護度、状態の方の月額利用料金をざっくり聞く

両親が有料老人ホームに入居したという知人から、『聞いていた話より、すごく高い料金を請求された』などというお話をよく耳にしませんか?これは大抵が理解不足によるものであると考えられます。有料老人ホームの料金は、基本月額料金(家賃や食費、管理費など)と個別料金(介護保険自己負担金や医療費、オムツ、消耗品など)の合計金額になっています。

介護保険の負担割合やオムツの使用量、光熱費(空調、テレビや冷蔵庫など)によって、個人差がありますので一概には言えませんが、同じ介護度の利用者がどのくらいの料金が掛かっているの?と聞いてみるのも、予算を立てる際には肝心なのではないでしょうか。

その他の注意点として

必ず、確認!まだまだ、確認しなければならないことがあります。そして、一番重要なこととは・・・。
  • リハビリを希望している場合(生活リハ?機能訓練指導員?PT?訪問リハ?鍼灸師?)。老人ホームはリハビリ病院ではありませんので同様のリハビリを期待してはいけません。
  • レクリエーションの実施状況は?日常のタイムスケジュールを確認する。有料?無料?有料の場合は家族に相談はあるの?本人に声掛けはしてくれるの?
  • 冷蔵庫を置けるの?その際の賞味期限を管理してもらえるのか?認知症の症状が顕著な場合などはどのような管理をしてくれるの?
  • サービス提供を受けるうえで介護保険以外で課金されるサービスはあるの?(洗濯・特別食・リネン交換・おむつパック料金など)
  • サ高住、住宅型の場合は、いままで利用していたデイサービスを継続利用できるの?いままでお世話になっているケアマネジャーさんの継続利用は可能なの?
  • 面会時間の確認。仕事で遅くなった場合など・・
  • 利用料金の引き落とし口座の指定は?有料老人ホームの中には「〇〇銀行の口座を作ってください」と言われるケースもあります
  • 夜間の介護・看護職員の人員体制。
  • 入居の際に必要な備品一覧
  • 入居審査を受けるうえでの「診療情報提供書(紹介状)」は貴社の書式限定か?(現在のかかりつけ医の持っている書式で代用可能なの?)
  • 入居時にお迎えに来てくれる?あくまでお願い事項~ほとんどの有料老人ホームはNGですが、まれに対応可能な施設もある。
  • 共用部分(トイレや食堂)は綺麗だったか?食堂のテーブルに設置されているはずの椅子が少なかったら「車いす利用者」が多く入居していると思います。
  • すれ違う従業員さんなどからしっかり挨拶されていたか?
  • 居室内の備品(特にカーテンやウォシュレットなど)は何があったか?カーテンは防炎カーテンが義務付けられます→備付けでなければサイズを確認することなどが挙げられます

先日、テレビの情報番組の中で同じような質問に対して“その専門家”と言う人が言っていました。『有料老人ホームの中にある観葉植物の葉っぱにゴミが溜まっているか?確認して下さい』『共用スペースに設置されているテレビの裏側にほこりが溜まっていたら目が行き届かない有料老人ホームです』『それとなくトイレを使って緊急コールを押して、すぐに人が駆け付けてくれるか?確認して下さい』

うーん・・。その人その人の考え方で、間違った見識とは言えませんがどうなのでしょう。ただ確実に言えることは、私達をご見学時に同席させることをお勧めしたいです。あとになって『言った、言わない』『聞いた、聞いていない』を無くすためにも。

また、我々のような紹介会社が同席する事で有料老人ホーム側の過度な【リップサービス】が無くなると考えています。なんでも『やります、頑張ります・・』と安請け合いだけはしてほしくないですものね。

みんかい相談室室長 渡辺大志