みんかい | 民間介護施設紹介センター

特別養護老人ホームはお得なのか

老人ホーム紹介センターは民間の有料老人ホームを紹介しています。ご相談の中には「特別養護老人ホーム」いわゆる「特養」と比較される方が多いように感じます。比較される理由としては「民間の有料老人ホームより安いと聞きました」と費用を主として考えられているようです。そこで、特別養護老人ホームが本当にお得なのか、3つのポイントでのメリット・デメリットを踏まえてご検討下さいませ。

チェックリスト

ポイント1:特養の入所条件

原則として要介護3以上の方が対象となります。厚生労働省は「在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える施設としての機能に重点化」を置いた施設と位置付けています。また、入所について介護度や生活環境から付けた点数で優先順位を決め、点数の高い方から入居の準備に入っていきます。要介護1・2の方は特例が認められた場合のみ入所が可能です。特例は下記にございます。

【要介護1・2の方の入所条件】

・認知症であることにより、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、在宅生活が困難な状態。

・知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、在宅生活が困難な状態。

・家族等による深刻な虐待が疑われる等により、心身の安全・安心の確保が困難な状態。

・単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により、家族等による支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が十分に認められないことにより、在宅生活が困難な状態。

メリット:

要介護3以上であれば、どなたでも申込は可能。介護のケアが必要な中重度の方の施設のため、介護の実績等の安心感がある。

デメリット:

申し込み順ではなく、ご本人の身体状況や生活環境で優先順位が変わり、いつ声が掛かるのか分からない。要介護3で比較的軽めの方だと、同じ施設の入居者様とかなり状態に差を感じてしまう。

電卓とお金

ポイント2:特養の費用

入居一時金はかからず、月額費用の支払いとなります。月額費用は収入によって段階が分かれていて、皆一律の請求ではありません。参考に段階を下記に記します。

第一段階:世帯全員が市長区村民税非課税かつ、老齢福祉年金受給者または、生活保護者など

第二段階:世帯全員が市長区村民税非課税かつ、本人の公的年金収入額プラス合計所得金額が80万円以下

第三段階(1):世帯全員が市長区村民税非課税かつ、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年間80万円以下を超え120万円以下

第三段階(2):世帯全員が市長区村民税非課税かつ、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年間120万円超え

第四段階:一般(市長区村税課税世帯)

メリット:

収入に応じて金額が決まる為、年金が少なく不安に感じている方は民間の有料老人ホームより軽い負担で済む。

デメリット:

同じ介護のケアを受けていても収入によって費用が異なる為、不公平感がある。収入によって個室しか選択できない方、多床室(2~4人部屋)しか選択できない方がいて、希望を出せない事が多い。個室になる場合、月の費用としては安くても15万円程度になる。

※「みんかい」でご紹介できる有料老人ホームの中には15万円より少し負担が軽い費用の施設があります。介護負担や医療費負担の割合等では15万円を超えてしまう方もいますので、ご希望の方は是非ご相談下さいませ。

老人ホームを探す夫婦

ポイント3:特養の探し方

公の機関である特養について、「みんかい」や他の紹介センターが空室や施設の生活の様子等、詳細を紹介する事はできません。では、どうやって探すのか。お住まいの地域包括支援センターで特養や民間の有料老人ホーム、介護事業所が掲載された一覧の冊子を貰って、基本的にはご家族様で探して頂きます。

メリット:

ご家族様やご本人様の近く(馴染みのある場所)の施設から、ご自身で選択できる。

デメリット:

空室状況や料金は特養によって異なる為、1件1件の問い合わせが必要となる。また、特養も様々な取り組みをしている中で生活の様子もご家族様で見学して質問していかないと分からない事が多い。

いかがでしょうか。

さらに住人(特にご高齢の方)が多い地域は空室のある特養が中々なく、年単位で待たなくてはいけなかったりもします。特養も民間の老人ホームを探す価値基準は一人一人異なります。今回ご紹介いたしましたメリット・デメリットがご自身やご家族様にとって本当に良いのか、悪いのかを考えてみるきっかけになると嬉しいです。

老人ホームはご自身や大切なご家族様がお過ごし頂く場所です。ずっと生活をしていく場所として、特養や民間の有料老人ホームを比較検討して頂ければと思います。特養は分かったから、民間の有料老人ホームのメリット・デメリットって何なの?知りたい!と思った方は、是非「みんかい」にご相談下さいませ。

ご希望条件はもちろん、今までのご生活の様子や身体状況をお聞かせ頂き、ご本人様にはご自宅と間違うような居心地の良い有料老人ホーム、ご家族様には安心して大切なお父様やお母様、ご兄弟方々がお過ごし頂ける有料老人ホームを紹介いたします。

首都圏相談室 室長代理 渡邉智美