名古屋の高齢者と老人ホーム事情
愛知県の人口は7,541,123人。名古屋市に至っては、2,328,431人(令和2年国勢調査結果より)です。内、名古屋市内の高齢者率(65歳以上)は24.9%と高い水準にあり、その65歳以上の中で「要支援認定」もしくは「要介護認定」を受けている方は117,418人(20.1%)にもなります。(NAGOYAかいごネット調べ)
内閣府のホームページでは全国の高齢化率を掲示していますが全国都道府県別でみると、愛知県の高齢化率は47都道県中45位。1位の秋田県43.8%に比べるとまだまだ良い印象はありますが、20年ほど先の2040年には32.4%まで跳ね上がる事が予測(厚生労働省 試算)されています。
それらの事情を考えて名古屋市では様々な福祉事業に取り組んでおり、全国でも有数の【福祉大国】になっています。
・敬老パス
「高齢者が公共交通機関で利用できる助成券等の制度」といい、全国の政令指定都市でも多く活用されている制度ではありますが、ここ名古屋では【65歳以上】の方々が対象となっています。ちなみに、東京都(シルバーパス)や横浜市など多くの自治体が70歳以上であることを考えると、名古屋市は大変手厚いと考えられます。
・福祉給付金制度
これは名古屋市だけではなく、愛知県の多くの市区町村で運用されている制度なのですが、簡単に言うと「医療費が免除される制度」になります。通称【マル福】といい、前提として70歳以上で名古屋市に住所があり、後期高齢医療の被保険者であることが必要なのですが、以下の条件に当てはまれば「お薬代や医療費負担が無くなります。」
1.身体障碍者手帳3級以上をお持ちの方
2.精神障碍者手帳2級以上をお持ちの方
3.「寝たきり」または「重度・中度の認知症が3ヵ月以上継続している方で、本人の所得が一定の範囲の方
※“一定の範囲”という文言の具体的な基準に関しては各役所にお問い合わせください。
4.要介護④、あるいは⑤の方
※私が担当したお客様の場合は要介護②でありながら“マル福”を取得されたというケースもありましたので、まずはかかりつけ医師にご相談ください。
他、詳細は名古屋市ホームページなどでご確認下さい。
この【マル福】を所得されていれば老人ホームに入居した際の負担が軽減されますので、大変ありがたい制度です。
【福祉事業】を数えたらキリがありません。ただ、このような取り組みにより名古屋市在住の高齢者が経済的にも住みやすい環境となっていることは特筆すべき点であると考えます。
介護施設について ~愛知県~
愛知県の県庁所在地・名古屋市にはたくさんの介護施設があります。
調べただけでも県や市が所管する特別養護老人ホームは90施設を超え、民間企業が運営する有料老人ホームに至っては442施設、認知症対応型のグループホームは400施設以上あります。
愛知県全体となると当然もっと増えますが、名古屋市を中心にした近隣エリアに集中している傾向が顕著に表れています。
名古屋市内の有料老人ホーム(民間が運営するホーム)の平均的な相場としては基本料金が15-20万円くらいの所が多いようです。
基本料金とは「家賃」+「管理費(共益費)」+「食費」の3部構成となっている料金を指します。
主にホームのパンフレットに記載されている料金のことです。
※サービス付き高齢者向け住宅の場合は、「食費」を記載していなかったり「状況把握及び生活相談費用」とか「健康管理サービス費」という費用が加えられていたりしますので注意して下さい。
この基本料金に、個別料金(介護保険自己負担分+医療費+おむつ代や趣味嗜好品、生活必需品や光熱費)が加算されますので、介護保険1割負担の要介護①の方の場合、5万円くらいを個別料金として見積もりますと、基本料金/15万円+個別料金/5万円で総額/20万円となります。
よって、名古屋市内の有料老人ホームの場合、20万円~25万円が平均相場となります。
ただ、中には基本料金が12万円~13万円程度の所も各区、各エリアに点在している為、ご予算に合わせたホーム探しが比較的スムーズにできるのではないかと考えております。
有料老人ホームの特徴① ~愛知県~
なかでも、愛知県エリアの特徴として挙げたいのが【家系ホーム】の存在です。
長く関東、近畿エリアでご相談をお受けしてきた私にはとても新鮮なスタイルでした。
勝手に“家系”と呼んでいますが、一軒家やマンションの数室もしくはフロアを改装して認可を取って運営されている有料老人ホームになります。
居室は個室がほとんど無く、2~4人部屋での生活となっていますのでプライバシーの確保は期待できません。でもそのぶん家賃がとても割安なため、基本料金としては月額/6~8万円前後になっています。
これらは関東や近畿圏にはあまり無いのですが、愛知県エリア(名古屋市近隣エリア)では多く運営されています。
これらのホームで“マル福”を取得されている方が生活すると要介護⑤であっても10万円前後で生活ができるようです。
これらのホームの場合、「要介護①以上」などの入居条件がありますので、詳細は弊社にお問い合わせください。
有料老人ホームの特徴② ~愛知県~
もう一つ、名古屋エリアで特徴的なことは【医療系に特化した有料老人ホーム】が大変多いと言うことです。“特定疾病”もしくは“厚生労働大臣が定める疾病等”の診断を受けている方専門のホームがたくさん存在します。
これらは医療費などにて運営を補う仕組みのようで基本料金は10~12万円前後と割安に設定されています。経口摂取(お口から栄養を摂ること)が出来ない方のみを入居条件にしているホームや、要介護④以上の寝たきり状態でなければ入居出来ないホームもあります。
逆に自立されているアクティブシニアの方が日々の生活を謳歌できるような高級ホームや、お食事だけ提供するけれど、あとはご自由に生活して下さい・・というお元気な高齢者が共同生活できる住宅、要介護状態の生活保護受給者がご入居出来るホームまで、その方に合ったニーズにお応えできるホームが数多くあるのが名古屋の特徴と言えるのではないでしょうか。
どちらにしましても、なかなかご自身では探しきれなくなってしまっているのが現在の老人ホーム事情です。そんな時は迷わず弊社までお問い合わせください。
的確なホーム探しのお手伝いをさせていただきます。
みんかい西日本事業部 室長 渡辺大志
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