みんかい | 民間介護施設紹介センター

医療ソーシャルワーカーに聞く~医療現場の現状~
「医療法人健仁会 益子病院」

アイキャッチ_益子病院

医療、保健、福祉で地域の健康長寿に貢献
医療法人健仁会 益子病院

益子病院_スタッフ

コロナの影響で、転院の受け入れ先が見つからず
電話対応に追われる日々

 医療機関において患者様やご家族の社会的問題を解決する医療ソーシャルワーカー。退院の調整や、医療費の相談、退院後に介護サービスが必要になった際の制度の説明など、医療と福祉をつなぐ存在です。

 今回は、川口市をはじめ埼玉県南部の医療に貢献する、医療法人健仁会 益子病院の地域連携医療相談室の皆様にお話しを伺いました。


コロナ禍で、転院先を探すことが困難に

――コロナ禍で、医療機関で働く医師や看護師の方々が疲弊している様子がマスコミに取り上げられていますが、皆さんも大変だったのではないでしょうか?

 そうですね。急性期病棟がコロナ対応病床として使用されている病院もあり、急性期の転院先を探すのにとても苦労しました。

 コロナ禍前であれば、2〜3件の病院に連絡をすれば受け入れ先が決まったのですが、陽性者数がピークの時には20件以上の病院に連絡をしても受け入れ先が決まらない状態でした。

 従来であれば、多少の呼吸苦や微熱があっても受け入れ先は決まりましたが、この時期は転院先を探すのに時間を取られました。ですから、とにかく受け入れ先を探すため、毎日電話をすることに必死で、他の業務ができず毎日残業をしている状態でした。

 また、当院にも従来であれば搬送されないような遠方から救急搬送された患者さんもいらっしゃいました。地元の病院で受け入れてもらえず、範囲を広げて探しているうちに遠方になってしまったケースですね。

 それ以外では、施設から入院された患者様の、退院日が決まり施設へお戻りになる場合でも、退院日直前に施設でコロナが発生し、しばらくお戻りになれないケースもありました。

 陽性者数を表すグラフがありますが、そのグラフが高い位置にあると私達も忙しくなりました。最近はかなり落ち着いてはいますが、冬場高齢者の方は体調を崩すことも多く、インフルエンザの流行も懸念されているので、しばらくは気を抜けないですね。


面会ができないのなら退院したい

――コロナになって患者さんやご家族のご要望に変化はありましたか?

 当院では、オンライン面会を行っておりますが、「実際に会えないと本人のご様子が分からない」と心配されるご家族からは「面会ができないのなら退院させてほしい」、というご要望が増えました。

私どもとしては、もう少しお身体の状態が安定してから退院して欲しいところですが、ご家族様の強いご要望がある場合は、当院の訪問診療や訪問看護と連携をとりご退院いただくケースが増えました。

 また、退院後、施設へご入居される方からは、「面会ができる施設」というご要望が増えました。今までは、施設を選ぶ際のご希望としては、「家から近い」「一ヶ月の利用料」などでしたので、これもコロナ禍ならではのご要望だと思いました。

 他には、コロナ禍でお仕事の収入が減ってしまったご家族からは、入院費をご心配されるため「早めに退院」をご希望されるケースもありました。

やっと探したご家族からの非情な一言

――ご本人以外にご家族と関わることが多いと思いますが、ご苦労されることも多いのではないでしょうか?

 救急で入院された患者様のご家族に病状説明をしたく、ご家族に連絡を入れてもなかなか電話が繋がらず、やっと連絡がとれたものの「どうなっても構わないから安楽死をさせてくれ」とおっしゃられたことです。これまでどんな事情があったのかをはかり知ることはできませんが、とても驚きました。

 様々な問題を抱えているご家族で、自宅には、介護認定を受けておらず、放置されたような状態の患者様の親御様が同居していました。その後、他のご家族と連絡が取れましたが、患者様も同居されていた親御様もお亡くなりになられ胸が痛むケースでした。

家に帰って元気にやっています

――最後に、このお仕事をしていて嬉しかったことをお聞かせください。

 退院されたあと、外来にお越しになった患者様から「家に帰って元気にやってます」と言われることですね。

 これからも、社会福祉の立場から患者様やその家族の方々の抱える問題の解決や調整を援助し、地域で安心して生活ができるようサポートいたします。

益子病院_連絡先


取材、文書:黒川 玲子
株式会社ケー・アール・プランニング

  

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