みんかい | 民間介護施設紹介センター

ペットの終活 老犬老猫ホームと家族信託

あなたにもしもの事があったら、大事なペットはどうなってしまうのでしょうか?

今回はペットと最後まで一緒に暮らしたいと願う高齢者と、残されるペットの終活について考えてみたいと思います。

ペットはもはや家族であり、彼らとのコミュニケーションは大きな生きがいとも言えます。実際ペットと暮らす高齢者と一人で暮らす高齢者では、認知症の発症時は大きく違いがでます。この子の為にと世話をする事で生きがいも生まれ、家族間だけではなく、散歩を通してご近所とのコミュニケーションが増え、社会的な孤立を防ぐこともできるからです。

またこれからペットと暮らす事を考えている方でも、最後まで世話をすることができるだろうか?と不安な気持ちになってしまう方もいるでしょう。

では、どんな時に問題になるか?いくつか考えてみましょう。

戯れる犬の人形

①突然入院になってしまった場合は?

短期間であれば、動物病院やペットホテルなどがあります。

日頃から、動物病院に相談できるような関係を作っておくのもひとつの方法です。

②長期入院になってしまう場合は?

高齢者の入院の場合、期間が長くなってしまうケースがあります。

また、長く入院することにより、筋力が衰えたり、判断能力が低下する場合もあります。対策については後述します。

③施設へ入所する事になった場合は?

今はペットと一緒に入所できる施設もあります。ただし、あらかじめ準備をしているかどうかや施設との契約等によっても違うと思いますが、飼い主さんがお亡くなりになると、引き取り手がない場合は、保健所へ送られてしまう可能性もあります。

また、場所や予算の都合でペットを連れて入所できない場合もあります。

娘さんや息子さんがいたとしても、それぞれの住宅の状況であったり、子供のアレルギーなどの事情で大事なペットを引き取ってもらえないケースもあります。

なにも準備をしていないと、殺処分になってしまう可能性が高くなります。

ペットも家族です。彼らは誰かのお世話にならないと、現代社会ではひとりで生きていけません。飼い主であるあなたが責任をもって今から準備をしておきましょう。

引き取り先として家族親戚にあてがある場合は負担付贈与(遺贈)という方法があります。そうでない場合は、ペット信託を活用し、老犬老猫ホームへの入居が良いと考えます。

犬を抱えて悩む人形

負担付贈与とは?

負担付贈与(遺贈)とは、財産を相続する際に、何らかの条件(責務)をつける方法です。この場合は、貴方が亡くなったあとのペットの終活を条件に一定の財産を渡すという方法です。明らかに動物好きで、信頼できる相続人であればこの方法が良いと思います。問題点としては、拘束力や罰則があるわけでないので、財産だけもらい約束が守られない可能性と、あくまでも遺言書なので、認知症対策にはなりません。

ペット信託とは?

ペット信託とは、終生飼育費用(ペットホーム費用等)を信託会社に預ける方法です。仮に、あなたが私の事務所にご依頼頂いたとしましょう。

ペット信託契約を結び、ペットのための信託財産を信託会社に預けておけば、あなたにもしもの事があったり、認知症になったり、万が一亡くなられたあとに、私共が安心安全にペットの施設入居の支援を行います。大事なペットが保健所に送られる心配はありません。ご希望や予算、ペットとの相性等にてお決めください。

入居や更新に伴う費用はやはり数百万円必要となりますので、このお金を信託しておく必要があります。

予め、ご連絡人(お知らせくれる人)を決めてもらいます。連絡がはいりましたら、当事務所が信託契約書に従って、ペットホームへ手配いたします。ご自身が元気なうちに老犬老猫ホームを選定されることをお勧めします。

残余財産が有った場合は、契約書の指定された口座に諸経費を引いた金額を振込いたします。

犬と猫を抱く老夫婦の絵

老犬老猫ホーム(ペットホーム)とは?

老犬老猫ホームとは、ペットの介護対応型施設のことです。

若い子(3歳程度まで)であれば、里親制度も活用可能ですが、高齢のペットでは困難でしょう。事前の老犬老猫ホームのご見学をお薦めします。施設や経営者との相性の問題もあります。

具体的な施設について

首都圏であれば、東京ペットホームさんをお薦めします。

老犬のみではなく、老猫ホームでもあります。

東京ペットホーム(東京都大田区)は、2013年に、動物愛護法改正による老犬老猫ホーム業の認定を受け、東京ペットホームは飼育困難にあるペットの“第二のわが家”として活動をスタート。以来、100頭以上のペットを長期・終生預かりとして迎え入れ、高齢・要介護のペットは短期預かりを含め300頭以上をお預りしています。

老犬老猫ホーム業界の黎明期から、さまざまな年齢・健康状態のペットを看てきた実績とノウハウが、東京ペットホームが多くの飼い主様に信頼されています。

費用について

これは、東京ペットホームさんの価格表です。費用に関しては、地域、施設、追加費用等によって異なりますのであくまで目安です。高齢ペットの終生の一括費用はそれぞれの見積もりとなりますが、終生費用であれば、やはり100万円以上となります。

下記は東京ペットホームの価格表です。

https://tokyo-cathome.com/pet-home/

東京ペットホームの写真

※東京ペットホームホームページより (https://tokyo-cathome.com/

首都圏以外の方へ

今回のご紹介は東京のペットホームさんですが、首都圏以外で、これから調べられる方は「老犬ケア」(https://www.rouken-care.jp/)などのホームページ等にてお調べください。

<執筆者のご紹介>

執筆者 遠山行政書士の顔写真

遠山眞人
行政書士
合同会社福祉ネット業務社員
遠山行政書士事務所代表

<プロフィール>
大学卒業後
プログラマーを経て、丸善石油(現コスモ石油)特約店営業を経験後建材メーカー役員を52歳で退任後
2013年9月より、遠山行政書士事務所代表、合同会社福祉ネット業務社員
相続業務(戸籍調査、遺産分割協議書作成、遺言書作成)
任意後見契約書作成、家族信託契約書作成
施設への入居のための身元保証サービスなどを専門業務とする。

<連絡先>
合同会社福祉ネット
〒143-0014東京都大田区大森中2丁目15-5 ダイヤモンドビル大森中605
TEL:03-6436-8903
Mail:aikido53★icloud.com(★を@へ置き換えてください)