みんかい | 民間介護施設紹介センター

老健とはどんなところ?有料老人ホームとの違い

老健でリハビリする女性とケアスタッフの写真

お客様からご相談をお受けしている際に費用がお安めな『介護老人保健施設(老健)』を紹介して欲しい、というお問い合わせをいただくことがあります。

ただ、残念ですが弊社は『民間が運営している介護施設』のご紹介・ご提案に限られる為、特養や老健といった公的施設をご紹介する事が出来ません。

探し方としてはインターネットで地域を特定し「老健」と検索されますと、役所のホームページなどに掲載された一覧表を見ることができます。また、ご入院中であれば病院の地域連携室、そこに在籍するソーシャルワーカーさんに相談をしてみてください。

在宅ケアを受けられているのであれば担当のケアマネージャーさんに相談されることもいいと思います。
しかしながら我々は日々、老健はもちろん、居宅介護支援事業所(ケアマネージャーが在籍する事務所)や病院(地域連携室など)に訪問し情報交換をしていますので、それほど多くの地域を網羅している訳ではありませんがそこで得た老健の空き情報をもとにお客様へお伝えする事はできます。気軽にご質問ください。

そこで今回のテーマですが、どうも老健の施設特徴をあまりご理解されてなく、費用が安いから・・という理由だけでお探しになられているお客様が多くいらっしゃるため「老健はどんなところ?有料老人ホームと何が違うの?」をということをかい摘まんでお伝えしようと思います。


老健とは、冒頭に書きましたように正式には介護老人保健施設と言います。
介護を必要とする高齢者に対し介護サービスやリハビリなどを提供し、在宅復帰への支援を行う施設のことを指します。

ご高齢者が自宅で生活していた時に何かのはずみで誤って転倒してしまった・・。

ドスンっという物音に同居していた家族がびっくりして駆け付けると床で動けなくなっているお父様を発見。救急車を呼んで病院に搬送してもらい診察を受けると大腿骨が骨折していると判明し手術をすることになった・・・。
無事に手術は済んだがそこの病院の担当医師から「もう大丈夫だから退院して下さい」と言われた。

退院と言われてもまだ歩くこともままならない身体の状態でバリアフリーでも何でもない自宅に戻れるのか?車イスを自宅で使える程のスペースは無いし・・。

さあ、どうしましょう。

転倒した高齢男性のイラスト

このようなケースの際に【老健】の利用目的が出てくるのです。

【老健】は上記のように在宅復帰をしたいのはやまやまだが何の準備も出来ていないし戻って今までと同じような生活をする自信が無い、という時の為に「では3か月間、老健でみっちりリハビリをして在宅復帰が出来るように自信を付けましょう!」という施設です。

そう、期間が決められた施設なのです。
期間はまちまちですが、概ね3ヵ月です。

【老健】にもいくつか区分があって「在宅復帰強化型」などはキッチリ3ヵ月で利用終了となりますが、「6か月くらいいてもいいよ、1年くらいなら大丈夫だよ。」というところもあります。いずれにしても終身利用では無いため、この点が終身利用できる有料老人ホームとの大きな違いとなっています。

また、他にも下記のような特徴があります。

・要介護①以上の介護認定を受けた65歳以上の高齢者が対象
・40~64歳の人でも初老期における認知症や特定疾病によって介護認定を受けている場合は入所の対象となる
・入居時の初期費用がない。月額利用料金は8万円~12万円くらい

・所得に応じて減免措置(居住費や食費などの負担を軽減する)がある
・居住費や食費、介護サービス費などは医療費控除の対象となる
・医療保険の適用を受けない為お薬は施設が負担しますが、内服薬が多い人や高価なお薬を継続して利用されている方は入所をお断りされるケースがある

・洗濯や買い物代行などの生活支援の提供が無い場合も多く、ご家族が定期的に足を運ぶ必要がある
・リハビリに力を入れている為、レクリエーションはほとんど行っていない(機能訓練の延長線としてのものならある場合があります)
・多床室が一般的(2~4人部屋)

・入退所判定時に「在宅での生活が可能なまでに身体の状態が回復していると判断」されると退所を促される
・医師や看護師が常勤していて医療ケアが充実しているが、その方が現在受けられている医療行為によっては入所をお断りされるケースがある

等が挙げられます。
やはり一番の大きな特徴は「老健は安いけど期間限定であること」ですね。
ご相談に来られるお客様はこの老健に入所中に有料老人ホームを探されている方が圧倒的に多いようです。

・3か月間、頑張ってリハビリをしたけど思うような効果が見られなかった
・同居の母が頑張って父のお世話をしようとして2人とも共倒れになってしまったら元も子も無い
・常に介護が必要な状態になったので独居は困難だと判断した
・同居しているが、仕事が手につかなくなってしまいそうで・・。

様々なご家庭の事情をヒアリングさせて頂いた上で、有料老人ホームへのご要望をお伺いしますと

・費用は【老健】並みがいい
・リハビリを継続させたい

が圧倒的に多いのですが、現実的には困難を要します。

お金と病院を天秤にかけた写真

費用面では、やはり公的施設と民間施設とでは補助金や助成金を受けられない民間施設の方が分が悪くなるのは当然です。私の担当する大阪/名古屋でも超低価格施設として総額12~14万円の所は有りますが、それはほんの数施設しかありません。

リハビリ特化型と謳っていて専属の理学療法士などが個別プログラムを作って実施してくれる有料老人ホームは有りますが、それなりに費用が掛かり、いままでいた【老健】と同様の料金とはいきません。たいがいの施設では、広い施設の食堂まで毎日歩いてゆく等、日常の生活の中にリハビリを落とし込んだ「生活リハビリ」がメインとなります。

ただし有料老人ホームは一部の施設を除いては終身利用が原則となりますので、期間限定で退去を求められることはありません。

まずは費用、要望などを聞かせ下さい。
この施設ではこれだけの料金がかかります、この施設ではこんなことができますがこれは難しい・・などいろいろなお話ができれば見えてくるものがきっとあります。

「公的施設」「民間の有料老人ホーム」、選択肢はたくさんありますので、探し方からそれぞれの特徴までしっかりと対応させていただきたいと願っております。

みんかい 渡辺 大志