みんかい | 民間介護施設紹介センター

スーパーバイザー奮闘日記

スーパーバイザー内山の顔写真

今月から、みんかいフランチャイズ事業の責任者である、内山が、各フランチャイズ企業の相談員との相談案件の確認、やり取り、教育指導の中で、さまざまな相談事例や気づきを取り上げ、トピックスや有料老人ホームを選ぶポイントなどのコラムを書いていければと思います。今回はあるA相談員の相談事例です。

相談者は80歳代の奥様(ほぼ自立)、旦那様は90歳後半の要介護4の老老介護の夫婦のご相談になります。

A相談員のとても親しいケアマネジャーからの相談であり、ここ3ヶ月以内に、旦那様の認知症が急速に進行して、奥様が外出している際に、外出してしまい、迷子で警察に補導されたりするケースが頻繁におこったので、ケアマネを通して、A相談員に連絡が入り、ご自宅に、ケアマネジャー同席のもと、三者面談が行われました。

【ポイント① より良い面談方法とは】

みんかいの相談方法には、相談室までお越しいただく来社面談、ご自宅まで訪問する訪問面談、オンライン面談などがございますが。今回は訪問面談の中でも、ケアマネジャー同席の際にご一緒させていただく、三者面談でご対応致しました。

三者面談の様子

通常の訪問面談より、ケアマネジャー様ご一緒の三者面談の方が、より入居対象者のお身体の状況を相談員が把握する事ができるのと、何よりもご利用者が信頼できるケアマネジャー、病院のソーシャルワーカーとの面談も同じで、ソーシャルワーカー同席の三者面談が、より良い面談方法かと思います。

夫婦入居の場合は、ホーム選びにおいていくつか注意点があります。
今回のご相談の場合は、ご夫婦で一緒に入りたい、同じお部屋で生活したいというご要望でした。この状況で考えないといけないのは、本当に同じ部屋で良いのか?という点です。

当然仲良いご夫婦なので、有料老人ホームでも、同じ部屋(ご夫婦部屋)が良いとの希望です。老人ホームに入る事での不安も多々あるので、一緒にいたいと思う気持ちもわかります。

仲の良い高齢夫婦の人形

ただ、在宅で、旦那様の認知症からくる夜の徘徊などで、奥様の疲労もピークになっており、ホームを検討するうえで、老人ホームに入居しても二人部屋だと、自宅と同じように、旦那様が夜間、徘徊をしたり、今後状態が悪くなった場合、ヘルパーさんが夜間に介助に入ったりして、結局奥様に負担がかかってしまう場合が多々あるので、ご夫婦部屋が必ずしも良いとは限らないのです。

ご夫婦部屋である事が、奥様に自宅と同じようにご負担になる場合が多々あるので、その見落としがちなデメリットをしっかり考えないといけません。

良くある選択肢の中で、隣同士の個室二つを借りるのが、一番良いのかと思います。
多いケースは、隣同士の個室で一つをリビング、もうひとつを寝室みたいに利用して、お身体の状態が悪くなった場合は、個室二つでそれぞれ、生活するなどの方法をとっているご夫婦の方が多く見受けられます。
また、介護施設の構造にもよりますが、隣同士の個室の壁をぶち破り、コネクティングルームみたいにして、リビングと寝室を分けて利用できる介護施設もあります。
ただし、このようにできる介護施設は限られており、退去する時は、現状回復する事が条件になりますので、費用は発生します。

ご夫婦入居のこのケースで、実は一番の考えないといけない問題は、自立の奥様が介護施設に、このタイミングで旦那様とご一緒に入居する事が、果たして良いのか否かが実は、一番大切なポイントになります。

旦那様の介護を中心にホーム選びをすると、特定施設(介護付き)や介護対応ができる住宅型、サービス付き高齢者向け住宅になりますが、特定施設(介護付き)は奥様のような入居時、自立(介護認定がおりていない)の方は不可のホームが多々あり、万が一入居できても、自立サポート費(介護認定がおりていないので)を払わないといけないケースが多々あります。

自立サポート費は月額1万~3万のところが多いのですが、中には7万前後かかる介護施設もあるので、注意が必要です。
また、奥様が旦那様の介護を中心に考えた際は、お部屋の広さは広くて11畳前後の介護付きや、介護に特化した、住宅型や、サービス付き高齢者向け住宅に入居する事になります。介護される方向けに作られてますので、お元気な自立の方から見ますと、いくつか制限がありますので、その点をしっかりと考えないと高齢者住宅選びをしないといけないと思います。

たとえば、食事を作るのが楽しみや趣味だったのが、介護付きに入居すると三食美味しい食事がでてきますので、自ら食事を作れなくなります。
また、洗濯や、掃除や、お買い物なども今まで自分のペースで自由だったのが、そのホームのルールに従って、少し窮屈になるケースがあります。

料理している高齢女性の手


至れり尽くせりが必ずしも良いわけではなく、お元気で、できる事は自分でやる事が、良い場合が多々あります。
その点をしっかりと考えたうえでの、介護付きや、介護が充実している住宅型やサービス付き高齢者向け住宅に入居するのは良いかと思います。

また、介護施設でも、階によって、上層階は自立の方(あまり見守りが必要でなく、自立されている方が多いコミュニティ)のフロア、1階は医療の寝たきりの方の看護師体制が整っているフロア、2階は認知症の方が多く、スタッフも比較的手厚く配置されているフロアなどに分かれている介護施設もあります。

今回のご夫婦の相談のケースは、奥様は上層階で自立の方が多く、お部屋も広いフロアに入居して、旦那様は、スタッフが多い2階の認知症ケアに特化したフロアの居室に入居になりました。

ご夫婦入居の場合で、どちらかの方が要介護で、在宅が困難な場合、下記のようないくつかの選択肢がありますので、どの選択肢が一番良いか、しっかりと考える必要がります。

【ポイント② ご夫婦入居の場合(どちらかの方が介護の場合)】

① 介護が必要な方をしっかりケアできるご夫婦部屋に入居
② 介護が必要な方をしつかりケアできる隣同士の個室を利用
③ 介護が必要な方をしつかりケアできる隣同士のコネクティングルームを利用
④ 介護が必要な方をしつかりケアできる施設で、自立と要介護の方をユニットやフロアで分けている施設
⑤ 住宅型で、自立棟と介護棟がわかれており、それぞれ分かれて入居
⑥ お元気な方が通える範囲の介護付きに旦那様を先に入居させて、いずれ同じ介護施設に入居

など、いくつかの選択肢があります。それぞれ、メリット、デメリットありますので、担当の相談員と、しっかりと相談していただき、今と、将来、どのような入居の方法が、一番良い入居の方法かしっかりと考える必要があります。

メリットとデメリットのイラスト
 

今回はご夫婦入居の場合の、ホーム選びの選択肢を中心に書きましたが、実は、この相談には、いくつかの他の相談事もございました。


ひとつは、お子様がいなく、身元保証人がいない
二つ目は、不動産などの資産があるけど、預金がほとんどない
三つ目は、認知症の旦那様がとても頑固で、自宅で最期を迎える、介護施設なんて入るくらいなら、死んだほうがましだというくらい、介護施設の入居に対して拒否反応をしめしている方でした。

上記の点は次回のコラムで、お話しできればと思います。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。

法人事業部 内山寿幸