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デジタル革命始動!老人ホームは、IT活用でどこまで進化できるのか!?(後編)

◎前編はこちら↓
デジタル革命始動!老人ホームは、IT活用でどこまで進化できるのか!?(前編)

次に臨床現場からのレポートです。

アズハイム文京白山 外観
アズハイム文京白山

 アズハイム文京白山のケアスタッフである天野さんから聞いた話を中心にレポートをしていきます。なんと言っても、現場で実際にデジタル化を執行している介護職員の話は現実的です。
 天野さん、早番にもかかわらず遅くまで時間をとって取材に協力していただきありがとうございました。

 天野さんは、入社6年目の中堅ケアスタッフ(アズハイムでは介護職員のことをケアスタッフと呼ぶ)です。新卒でアズパートナーズへ入社しました。そして、途中から「EGAO link」(※クリックすると外部ページへ移動します)の導入を経験しています。つまり、紙の時代とデジタル時代の両方を経験しているケアスタッフになります。

入居者様とお話しするアズハイム文京白山ケアスタッフの天野さん
アズハイム文京白山のケアスタッフである天野さん


先に天野さんの結論から。


 「もう、「EGAO link」なしでは、仕事はできません!」。それぐらい、今では、仕事になくてはならない業務ツールになっています。これが天野さんの正直な今の気持ちです。

 しかし、導入当初は、次のような違和感を感じ、正直、疑問を持っていたそうです。それは、導入前までは、例えば入居者の定時巡視は、必ず、入居者の“顔(表情)”を見ることが仕事だと信じて疑いもしませんでした。

 特に、夜間は、入居者の居室を訪室し、入居者の寝顔や寝息を自分の目や耳で確認することが、ケアスタッフの仕事であると考えていたと言います。

 しかし、「EGAO link」が導入されると、この定時巡視(ただし、介護支援上、必要があると判断される巡視は今も実施しています。)は不要になりました。少なくとも、ベット上にいる入居者への巡視は禁止になります。

 理由は、巡視の代わりにデジタル化された仕組みが導入されたのだから、巡視をしていては意味がないからです。しかし、天野さんは、当初は、素直に受け入れることができず、次のような疑問や不安が湧いていたと言います。

 「本当に、入居者の居室巡視をやらなくても大丈夫なの?」
 「この技術は、本当に信頼できるの?」
 「スマートフォンを確認し“Aさんを眠りスキャンで確認、OK!”と指だけで処理をしてしまうことって、どうなんだろう。何か心配だ・・・。」などの考えが頭をよぎります。

 しかし、ある時、ふと、気がつくと、そこには「EGAO link」を信頼している自分がいたと言います。不思議なものです。自然と自分自身が受け入れていたことに気がついた、ということを自覚したと言います。

 これは、私の推測ですが、老人ホームの新人介護職員が、100名の入居者の名前と顔を一致させるために、最初は、必死になって覚える努力をするのですが、なかなかうまく覚えることができません。

 しかし、3週間ぐらい経ったある日、ふとしたことがきっかけで、覚えている自分に気がつきます。「気がつくと覚えていた」老人ホーム介護職あるあるです。これと同じ現象が起きていたのだと思います。正直な気持ちですね。天野さんの話を聞いて納得することができました。

「この機械は、ちゃんと正しく反応してくれるんだ」

パソコン操作をするケアスタッフの天野さん


 ある時、このことがわかりました。今までは、巡視のタイミングでしか様子観察ができなかった入居者の様子が、その場に行かなくても、入居者の“心拍の増加”などの数値を、常に眠りスキャンがモニタリングし、知りたい時にいつでも自分に教えてくれる事実。

 当たり前と言えば当たり前ですが、このことに、気がつかされました。まさに、EGAO linkに対する信用が生まれた瞬間です。

 この事実は、本当に革新的なことだと思ったそうです。知りたい時に、知りたいことを、知りたいだけ、どこにいても教えてくれる仕組みがあること。これがデジタル化の真骨頂です。

 メカニズムについて少しだけ説明をしておきます。前の山本さんの話と多少被りますが、ケアスタッフからみた景色なので重要だと私は考えます。

 「EGAO link」の主な技術の一つに“眠りスキャン”というものがあります。この“眠りスキャン”は、ベッドマットの下に装着し、ベッドで寝ている入居者の身体状態を常時、管理している装置です。

 体の動きや向きはもちろん、心拍数などのバイタルを常時管理し、設定さえしておけば、特定の状態や数値になった場合は、アラートでケアスタッフに通知する機能もあります。

 「気がついたらこのシステムを受け入れていた」という天野さんの言葉を借りれば、数値や表示が入居者の今の状態を具体的に表示し、見える化をしてくれることを体感したことによって、導入前までに持っていた疑念が、信頼に変わったということです。「ここまで、詳細に、具体的にデジタルが教えてくれるのか!」という体験です。

 「自分が巡視をするよりも、「EGAO link」は、より細かい情報を自分に与えてくれるのでないか!」だとすると、自分の今までやっていた巡視は“不要だった”と認めざるを得ない、ということになるわけです。

 私も実際に天野さんからスマートフォン画面を見せていただきましたが、今の入居者のベット上での状態は?ということに対し、スマートフォンは次のように教えてくれます。寝ている状態であれば「青表示」、覚醒している状態(ベット上で横になっているだけの状態)は、黄色表示です。スマートフォン上の画面の中で、入居者の名前と青色、黄色の画像が常時動きます。「ほら、Aさんが、今、黄色に変わった!」という具合です。

「EGAO link」の導入で、ナースコールが鳴らなくなりました。


 ナースコールは、入居者とケアスタッフとを繋ぐツールです。入居者からしてみると、困ったことがあった時に、ナースコールを鳴らします。「どうかしましたか?」というケアスタッフの声は、まさに安心を与えてくれる天使の声です。

 ちなみに、多くの老人ホームのクレーム上位には、必ずと言っていいほど“ナースコールで何回呼んでも、介護職員がなかなか居室に来てくれない”というものがあります。

 「EGAO link」は、このナースコールさえ不要にしてしまうツールです。例えば、こんなケースがあります。

 Aさんの色が青色から黄色に変化しました。そろそろ、ベットから起き出して、トイレに立つタイミングだ。転倒リスクのあるAさんは、その前に、必ずナースコールを押して“トイレ介助を依頼してくる”ということを考えた場合、そろそろ訪室してみよう、ということになります。

 これにより、Aさんは、ナースコールを押そうと思っていたその矢先に、ケアスタッフが来てくれて、トイレ介助をしてくれる、ということを体験するのです。「今、介助をお願いしようとナースコールを押そうと思っていたところよ!」というAさんの嬉しそうな顔を容易に想像することができます。

 まさに、「EGAO link」は、入居者とケアスタッフとの笑顔を結んでいく仕組みになっています。

 さらに、こんな使い方もあります。Aさんの介助をしている時に、転倒リスクの高いBさんが、青色から黄色に変化しました。ケアスタッフは、Aさんには、少し待ってもらい、すぐにBさんのもとへ駆けつけます。

 気が早いBさんは、すでに上半身をベットから乗り出し、トイレに向かう準備をしているところでした。ケアスタッフは、Bさんのトイレ介助に間に合いました。これで、Bさんは「転倒」という痛い思いをしないで済みます。

 “よかったね、Bさん。Aさんには、少し申し訳ないけれども・・・”。でも仕方がないことです。

 つまり、「EGAO link」は、寝ている状態、起きている状態を見える化する為、入居者に対し、先手先手を打つことができます。つまり、入居者のリスクマネジメントができるという一面もあるのです。もちろん、万能ではありませんが・・・。

 これも入居者の笑顔を結んでいく一例です。

検索機能が、かなり効果的です。

スマートフォンの操作をするケアスタッフの天野さん

 

 入居者が怪我をした場合、その写真を撮って送信をすると、入居者個人のケアカルテ(介護看護記録のこと)内に自動的に格納されます。そして、いつでもどこでもスマートフォンで、その写真を確認することができます。

 例えば、Aさんの入浴介助時に足の怪我を発見、この怪我っていつから?という疑問が出現した場合、Aさんのケアカルテを検索すると、様々な情報や写真の中から「足の怪我」について関連する情報やデータをすぐに確認することができます。

 「この機能のおかげで、介護は本当に楽になりました」。と天野さんは言います。
さらに、朝夕の申し送りの時間もかなり短くなったそうです。そして何より、天野さんは、介護記録の記入漏れがなくなったと強調します。

 今までであれば、「この現象は介護記録に書く必要がある。事務所に戻ってから書かなければ」と思いながら、他の作業をして、結局、書くことを忘れ記録に残すことができないと言うことが、多々あったと言います。実に正直な話です。

 紙で管理をしているほとんどの老人ホームでは、今もこの現象はたくさんあると思います。「EGAO link」では、いつでもどこでもスマートフォンから入力することができるので、“書こう、即入力”になっています。記入漏れは起こりません。

最後に一言。
もちろん、デジタル化導入には、デメリットもあります。

 
 ケアスタッフの仕事も便利で楽になり、入居者のストレスも軽減できるデジタル化ではりますが、当然、デメリットもあります。それは、やはり、デジタル化についてくることができないケアスタッフは辞めていくという事実です。

 デジタル的なことが苦手な年配のケアスタッフは、操作やルールを覚えることができず、返って不便になることもあります。もっというと、長年、紙で管理することに慣れ親しんできたベテランケアスタッフは、デジタル技術を受け入れること自体に、ハードルがあるはずです。

 しかし、これは時代の要請です。一昔前のように、介護職員は、始終、汗をかき、ホーム内を走り回っていてこそ優秀な職員、という発想は捨てなければなりません。人がやる必要のあるところは徹底的に人がやり、そうでないところは、徹底的にデジタル技術で対応をしていくこと。ということなのです。

 そういうと、次のような批判もあると思います。それは、デジタル化が進めば、介護現場では、熟練工などが不要になるのではないか!という点です。

 いくら懸命に介護スキルを磨いたところで、すぐにデジタル技術に追い越されてしまう。であるなら、介護職員なんて誰がやっても同じだと。むしろ、デジタル化は介護職員から仕事を奪い、スキルも奪いとるものではないのかということです。

 しかし、現実は逆だと思います。例えば、多くの生産工場では、オートメーション化が進み、その多くは、人ではなくコンピューターを搭載したロボットが製品を作っています。しかしです。そのロボットは、熟練工の持っている暗黙知を知見としコンピューターにインプットしているからこそ、良い製品が作れるはずです。

 つまり、熟練工は必要であり、不要にはなりません。もし、100歩譲って不要になるというのであれば、それは、中途半端な知識や教養しか持たない人たちです。

 デジタル化は、働き手がプロになり、利用者側は、高品質で低価格なサービスを受けることを可能にするものだと思います。

 アズパートナーズ社が導入している「EGAO link」は、まだまだ、最終的な完成形には遠いのかもわかりません。今後、改良の余地もあるはずです。がしかし、この挑戦は、間違いなく介護の質を高め、介護職員には、介護の仕事の尊厳を自覚させ、最終的には、人生の持ち時間の少ない入居者や利用者に対し、最後まで笑顔でいられる時間を提供できるようにするはずです。

 老人ホームのデジタル革命は、WIN(入居者や家族)、 WIN(現場職員)、WIN(企業)、WIN(社会)を4つのWINを目指すために必要な取り組みなのではないでしょうか?

以上


レポート作成:小嶋勝利

*「EGAO link」は、アズパートナーズの商標登録商品です。商品へのお問い合わせは、アズパートナーズ社へお願いします。