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体験入居とショートステイの考え方
体験入居とショートステイの考え方
自分の家族や親族が日常生活に支障をきたすようなことになってきたら・・。
例えば、認知症状の進行により近隣住民の方々に迷惑をかけるようになった、
毎日服用するお薬を忘れてしまっている、または大量に飲んでしまっているようだ・・。
いろいろな状況の変化によって有料老人ホームのご相談に来られます。
ただ、有料老人ホームへの入居を考えるにあたって、ご本人様の意向もそうですが「入れる側(ご家族様)」の考えも簡単なものではありませんね。
今まで一緒に生活をしていたり、いまは遠方に住んでいるとはいえ、つい数年前のご本人様の様子を振り返ってみると「老人ホームに入れるのは“罪”だ」と思ってしまうご家族様も多くいらっしゃるようです。
先日もこんなご相談をいただきました。
母親を有料老人ホームにお任せしたい。私は日中仕事が忙しく独居の母親の面倒が見ていられません。それに母に何かあった時にすぐに駆け付けられる距離でもありません。今は何事もなく生活をしているようなのですが、先日実家に帰った際にお隣の方に「少し様子がおかしいから、ちゃんと見てあげて下さいね」と言われました。
私にはその言葉が大変なプレッシャーになってしまい、仕事中も気が気ではなくなってしまいました。かと言って、有料老人ホームという考えは全く無かったのですが・・。だって、老人ホームって気難しい母には向かないような気がしていて。今まで自由気ままに生活をしていた母なわけですから、そこでの共同生活が向いているとは考えられなくて。
でもこのままにしておくことはできないので、母が気に入りそうな有料老人ホームに何回か体験入居させて慣れてもらって気が向いた時に終身入居させてあげたいと思っているのです。というご相談でした。
子供の心理としてはとてもよくわかりますし、出来ればそうさせてあげたいです。ただ、ここで有料老人ホーム側が考える「体験入居やショートステイ」の考え方を理解することが必要になります。
体験入居は本入居のお試し期間という位置付け
有料老人ホーム側が考える「体験入居」とは。
中には上記のご相談に応えようとしてくれるところもありますが、大部分の有料老人ホームで考えているのは『本入居(終身利用契約)をするためのお試し期間』になります。1日~1週間前後を期間として体験入居してもらい、その間で慣れてもらったらそのまま本入居契約をしてもらうという考え方です。
上記のご相談者様が思っているのは、1週間利用してみて一旦ご自宅に戻り、また気が向いた時に体験入居して慣れてゆく。その過程の中で「ここは居心地が良く本人も満足しているようだから正式に本契約をしましょう」というプロセスをお考えと思いますが、有料老人ホーム側の考えは「終身利用契約をする前の7日間」という意識が強いのです。
当然、その体験入居期間中に「やっぱり辞めた」「一旦帰って考えを整理します」とご自宅に帰ってしまうことは可能です。でも、これを2度3度繰り返すことをNGとしている有料老人ホームが大多数であることも事実です。
ショートステイについて
では、上記のご相談に対してどのような対処が適切であるか。有料老人ホームの中には「ショートステイ」を取り入れているホームがあります。ショートステイとは1日~1ヶ月間(そのホームの考え方によります)の体験入居のようなものです。
お盆時期や年末年始に家族で旅行に行きたいから、3日程、母を預かって欲しい。2週間ほど出張があるので親の面倒を見れないからこの期間だけ預かってもらいたい。などのご要望にお応えするシステムですが、基本的に有料老人ホームのショートステイは『空き部屋利用』となります。ショートステイの為だけにお部屋を常に備えている有料老人ホームはほとんどありません。
よって、人気があって常に満室状態の有料老人ホームは『ショートステイやっています』と言っていても本入居(終身利用)の方を優先するため、“システムはあっても利用者はいない”と言うのが実情です。
また、空き部屋があっても特養や老健で行われる『介護保険を使ったショートステイ』ではなく『自費ショートステイ』になるため、1泊/1万円前後してしまうことが多いです。そして、たとえ1泊のショートステイであっても、入居前の健康診断やご本人様との事前面談が必要になりますので、本契約(終身利用)と同様の手間暇がかかります。
有料老人ホームとしては、たとえ1泊であっても『ご対象者様の命を預かること』になりますので、ご対象者様の既往歴や現病、生活習慣や性格などをちゃんと理解していないと受け入れられない、という考えが働くためです。
上記のご相談で考えますと
① 気に入った有料老人ホームにショートステイを利用したいときに空室が無ければいけない。
② 利用したいときにすぐに利用できるものではない。
③ 契約に準備しなければいけないことが本契約と同様にある
少なくともこの3点のハードルがあるのです。
いろいろとご不安を煽ってしまうようなことを書き連ねてしまいましたが、ご安心ください。エリアの特性にもよりますが、我々みんかいではショートステイを積極的に受け入れてくれる有料老人ホームの情報を常に更新しております。その時々の空室情報から費用、緊急受入の可否までさまざまなご相談に対応させていただきます。
入居一時金0円プランという選択肢も
現在は、入居一時金/何百万円~数千万円といった有料老人ホームより、入居時/0円という“気軽に入れて気軽に出れる”有料老人ホームが増えています。これはずっと体験入居と同じような考え方にもつながるのではないでしょうか。
お金の問題だけとは言えませんが、多額の金銭を投じずに本入居(終身契約)することができるからこそ、一度生活をされてみて気に入らなかったら別の有料老人ホームに移る・・という気軽な気持ちが持てるんではないでしょうか。ただし、ホームへのお引越し(備品の設置やご契約)は都度必要になってしまいます。
どのようなご相談でも気軽にお問い合わせください。ご本人様、ご家族様にとって何が最善策か・・一緒に考えさせてください。
みんかい西日本事業部 室長 渡辺大志
有料老人ホームの入居時にかかる「入居一時金」と、その「償却」について
有料老人ホームの入居時にかかる「入居一時金」と、その「償却」について
有料老人ホーム探しで誰もが気になることはズバリお金にまつわることではないでしょうか。
「月々いくら掛かるのか」「月々の費用の他にかかる費用はいくらぐらい掛かるのか。」要はいくらあれば有料老人ホームに入れるのかなど、有料老人ホームはお金がかかるイメージはぬぐえないと思います。
そこで、老人ホーム探しに欠かせない費用の中で、「入居一時金とその償却」についてお話しします。
1.「入居一時金」について
有料老人ホームを探す場合、月々の費用が気になるところですが、月々かかる費用の他に入居時の初期費用として「入居一時金」という名目の費用が掛かる場合があります。この「入居一時金」ですが、最近では「入居一時金」が0円というホームも多くなってきていますが、ホームによっては金額にして数千万円かかる場合もあります。
よって、有料老人ホームに入居する場合、月々の費用とは別に入居時に係る費用として「入居一時金」が必要になってくることを、ホーム選びの際には念頭に入れておく必要があります。
また、その金額は、100万円前後のホームもあれば数千万円かかるホームもあり千差万別です。
傾向的には比較的、都心部に近く、建物も豪華で設備やサービスを売りにしているホームなどは高額になる傾向が強いようです。
「入居一時金」の解釈としては、不動産賃貸に置き換えた場合「家賃相当額の前払い金」と考えると分かりやすいと思います。マンションやアパートなどの集合住宅に入居する場合の「敷金」の役目も果たしており、不則の事態で施設を退去しなくてはならなくなった場合などは、償却期間の問題はありますが償却されていない「入居一時金」は返却される仕組みとなっています
「入居一時金」を徴取するホームついては、入居の前に運営事業者から必ず説明がありますし、契約書にも当然明記されています。有料老人ホームへの入居を考えている方は、大抵の場合いくつかのホームを比較検討されると思いますが、「入居一時金」の仕組みについては、しっかりと目を通し理解しておくことが重要です。
2.「入居一時金 0(ゼロ)」の施設
入居に際して経済的な理由から、「入居一時金」が払えない方のために、先にも述べた通り最近では「入居一時金」がかからないホームも増えてきています。ただし入居一時金を支払わない代わりに、その分月額費用(家賃分)が割高に設定されている傾向が伺えます。
よって、単に入居一時金を支払わずに入居したとしても、入居期間が長くなった場合、支払総額が割高になる場合もあるため、安易に「入居金ゼロ」の文句に飛びつかず、長い目で「いくら払うことになるのか」を判断することも重要です。
3.「サービス付き高齢者向け住宅」について
有料老人ホームの入居一時金ゼロ円プランと同様、サービス付き高齢者向け住宅も「入居一時金」が発生しないため、有料老人ホームと比べてリーズナブルと言えるかもしれません。ただし、サービス付き高齢者向け住宅は「敷金」名目で家賃の数ケ月分の費用を納める必要がありますので、初期費用についてはしっかりと比較し検討しましょう。
サービス付き高齢者向け住宅は介護サービスの面では有料老人ホームと比べて手続きに手間が掛かったり、幾分内容が劣る場合もあるかもしれませんが、介護施設というよりはバリアフリー対応の集合住宅に近いものなので快適な住環境を望む人と、初期費用を抑えたいという人にとっては無視できない選択肢の一つであると思います。
また、サービス付き高齢者向け住宅は契約上「賃貸」であるため、ご家族やご入居者本人の都合に合わせて転居する必要が出た場合など、柔軟に入退去できる点は大きな魅力だと思います。
4.一時入居金の「償却」について
「入居一時金」は入居と同時に一部償却(初期償却金)されることがあります。この償却の位置付は「手数料」として取られることが多いようです。
入居時の初期償却金(ホームによって異なりますが、おおよそ一時金全額の20%程度)を差し引かれ、残りの分の金額も、そのホームが定める償却期間で月々一定額が償却される仕組みになっています。
償却期間は事業者によって異なりますが、数年から長いところでは10年を超えるところもあります。
ホームの形態ごとで見てみると、介護付有料老人ホームは償却期間が短く、健康型・住宅型有料老人ホームは償却期間が長く設定されている傾向にあります。
償却期間内に何らかの事情があって退去しなくてはならなくなった場合、入居一時金の一部は、実際に入居した期間に応じて返金される仕組みになっています。なお、契約後のクーリングオフ制度もあり、有料老人ホームとの契約でも、この制度を利用することが可能で、『契約後90日以内』にクーリングオフ制度を利用すると、初期償却がされずに入居金が返金されます。
但し、実際に滞在した日数に応じた月額費用、修繕費用などは支払うことになる場合もあります。
5.まとめ
有料老人ホームには、費用に見合ったサービスや安心感が約束されています。しかし経済的に無理をしてホームを選んでしまうと、「こんなはずではなかった」と後悔する可能性もあります。 費用に関しても、決して背伸びをせずに、余裕を持って支払えるくらいのホームを探すようにしたいところです。
みんかいでは、その方の状況に応じ、常に適切なホームをご紹介ご提案させて頂いております。
総務部 内藤克己
運動と認知症
運動と認知症
親を老人ホームに入居させたいと考えるきっかけに認知症の発症があると思います。
人はなぜ認知症になるのでしょうか。さまざまな要因があると言われています。
脳内の特殊なタンパク質が蓄積することで発症するアルツハイマー型認知症や、脳出血や脳梗塞などをきっかけに発症する脳血管性認知症や、神経細胞にできる特殊なタンパク質であるレビー小体が大脳皮質とか脳幹などに蓄積して発症するレビー小体型認知症などがあります。
超高齢化社会の日本国内において、認知症を発症される方はとても増えています。認知症の治療方法として主流なのは薬物療法でしたが、2000年に介護保険制度が開始された頃から軽度あるいは中等症程度の認知症に対して、音楽療法や運動療法などで認知症状の改善への取り組みが増えています。その中でも今回は運動療法に注目したいと思います。
運動量と認知症発症には関連がある?
多くの老人ホームではレクリエーションを実施していますが、その目的は体をしっかり動かして身体機能を維持すること、折り紙などで手を動かしたりクイズに挑戦することで脳を活性化し記憶力などの脳の機能を維持すること、日々の生活に楽しみを見いだせるように気分転換を図ること、入居者やスタッフとの交流の機会をつくることです。
その中でも体を動かすレクリエーションは筋力などの身体機能維持以外にも、脳が活性化し認知症改善に効果があると認識されています。
老人ホーム紹介センターの相談員として日々介護にお困りでご相談に来られる方々のお話を伺っていると、一人暮らしの親が認知症になり老人ホームへの入居を考えたいという方が多くいらっしゃいます。
例えば、一人暮らしの親が最近もの忘れがひどくなった。病院に行く日を忘れたり、何度も同じことを話す。日に何度も電話がかかってきて、銀行の通帳がなくなってしまった、泥棒が入ったなど訴えてくる。そろそろ老人ホームへの入居を考えたほうがいいのかなというご相談です。
親御様のご生活の様子を伺うと、最近はコロナの影響で外に出ることがなくなり、通っていたデイサービスもコロナの感染が怖くて休んでしまっている。買い物に行くのも極力控えるようになって、1日の大半の時間をリビングのソファで過ごし、テレビはつけているものの見ているかどうかわからない、人と話をすることがほとんどない。食事も食べる意欲がなく、わざわざ簡単に食べられそうなお惣菜などを買って運んでいるがあまり減っていない。気が向いた時に菓子パンを食べているようだが、といった様子でした。
以前から日常生活のなかの運動量と認知症発症には関連性があると言われています。毎日3キロのウォーキングする人と、400メートルほどしかあるかない人は認知症の発症リスクが2倍高くなると言われています。つまり、外出をしたり活発に運動する活動量の多い高齢者のほうが、自宅で静かに過ごす活動量の少ない高齢者よりも認知症になりにくいということです。
軽い運動でも認知症予防には効果的
なぜ運動することが認知症予防になるのか。運動をすると、脳の神経を成長させるタンパク質が記憶をつかさどる海馬で多く分泌され、海馬の機能の維持や肥大に効果があると考えられています。また、脳が正しく機能するためには脳内に絶えず十分な血液が流れていることが必要ですが、運動をして体を動かすことは脳内の血流の改善にも効果的と考えられています。
また、生活習慣病といわれる糖尿病や高血圧の持病を持っている方は、アルツハイマー型認知症の発症率が2倍とも3倍とも言われています。生活習慣病予防としても運動の習慣化は大事な対策として知られていますが、結果として認知症の予防にも繋がります。
息が切れるほどの激しい運動である必要はなく、スポーツジムで使うような機械も必要もありません。散歩やウォーキングなどの軽い有酸素運動でいいのです。
認知症予防 老人ホームの取り組み
とはいえ、老人ホームでは、先に述べたように日々レクリエーションを実施しておりますが、なかなか外に出ての散歩やウォーキングに出かけることは難しいこともあります。しかし、午前中のレクリエーションとして集団体操を取り入れているホームが多いので、そのような軽い運動で脳の細胞が活性化される効果が期待できます。
ホームによっては独自の体操メニューをつくり、1回につき30分から40分程度しっかりと汗ばむぐらいの運動をしているところもあります。もちろん、車椅子の方でも行えるように座ったままでもできる体操となっています。
とある老人ホームでは、廊下の床や壁にメートル単位で目印をつけて、入居者に歩いている距離を意識してもらう工夫をしています。レクリエーションの一環としてスタンプラリー形式にして、廊下を歩く距離でスタンプを押してもらい、最終ゴールがホームから富士山までの距離としたりなど歩くことを楽しんでもらうような工夫をしています。
理学療法士や作業療法士といった資格を持った機能訓練指導員を配置している老人ホームもあります。そのようなホームでは、身体機能の維持や改善を目的として週1回ほどマンツーマンの個別リハビリを行うことができます。
身体機能への効果だけではなく認知症予防や改善にも効果がありますので、老人ホームでは、そのような効果を認識してマンツーマンの個別リハビリとレクリエーションの集団体操を組み合わせて、毎日運動ができるように工夫しているところもあります。
高齢者ではなくても、一人暮らしをしていると、どうしても自分のペースで過ごしてしまいますので、朝起きる時間や食事の時間も不規則になりがちですし、運動を習慣化するのはよほど意識的に行動しなければ難しいと感じる方も多いと思います。ましてや、高齢者ともなると筋力や心肺機能が低下しており、関節に痛みを感じる方も多いので、散歩したり買い物に行くなどの日動生活の動作ひとつひとつがつらく感じることも多くなります。
運動をすることで当然筋力がついてきたり、心肺機能が向上していくので、日々の生活で不安やおっくうに感じていたことが改善され、自信を持てるようになっていきますので、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上にも効果的と考えられています。
老人ホームでの生活は、毎日の食事時間が決まっているので、朝起きる時間もおのずと決まってくるため、一人暮らしのときの不規則な生活から規則正しい生活になります。3食の食事は毎回食堂に行く必要がありますので、比較的小規模なホームであっても自宅のリビングと居室の移動距離よりも歩く距離が長くなります。
運動療法に頼らずとも老人ホームでの生活自体が認知症予防になりますが、そこへ積極的な運動療法を取り入れていけばより予防や改善に効果が出るでしょう。
老人ホームへの入居を考えられた時、選ぶ際にはそのような認知症状改善に取り組んでいるホームか、どのようなレクリエーションを行なっているかなどを意識して探してみるのもいいのではないでしょうか。
首都圏相談室 室長代理 入江佳代
特別養護老人ホームはお得なのか
特別養護老人ホームはお得なのか
老人ホーム紹介センターは民間の有料老人ホームを紹介しています。ご相談の中には「特別養護老人ホーム」いわゆる「特養」と比較される方が多いように感じます。比較される理由としては「民間の有料老人ホームより安いと聞きました」と費用を主として考えられているようです。そこで、特別養護老人ホームが本当にお得なのか、3つのポイントでのメリット・デメリットを踏まえてご検討下さいませ。
ポイント1:特養の入所条件
原則として要介護3以上の方が対象となります。厚生労働省は「在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える施設としての機能に重点化」を置いた施設と位置付けています。また、入所について介護度や生活環境から付けた点数で優先順位を決め、点数の高い方から入居の準備に入っていきます。要介護1・2の方は特例が認められた場合のみ入所が可能です。特例は下記にございます。
【要介護1・2の方の入所条件】
・認知症であることにより、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、在宅生活が困難な状態。
・知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、在宅生活が困難な状態。
・家族等による深刻な虐待が疑われる等により、心身の安全・安心の確保が困難な状態。
・単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により、家族等による支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が十分に認められないことにより、在宅生活が困難な状態。
メリット:
要介護3以上であれば、どなたでも申込は可能。介護のケアが必要な中重度の方の施設のため、介護の実績等の安心感がある。
デメリット:
申し込み順ではなく、ご本人の身体状況や生活環境で優先順位が変わり、いつ声が掛かるのか分からない。要介護3で比較的軽めの方だと、同じ施設の入居者様とかなり状態に差を感じてしまう。
ポイント2:特養の費用
入居一時金はかからず、月額費用の支払いとなります。月額費用は収入によって段階が分かれていて、皆一律の請求ではありません。参考に段階を下記に記します。
第一段階:世帯全員が市長区村民税非課税かつ、老齢福祉年金受給者または、生活保護者など
第二段階:世帯全員が市長区村民税非課税かつ、本人の公的年金収入額プラス合計所得金額が80万円以下
第三段階(1):世帯全員が市長区村民税非課税かつ、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年間80万円以下を超え120万円以下
第三段階(2):世帯全員が市長区村民税非課税かつ、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年間120万円超え
第四段階:一般(市長区村税課税世帯)
メリット:
収入に応じて金額が決まる為、年金が少なく不安に感じている方は民間の有料老人ホームより軽い負担で済む。
デメリット:
同じ介護のケアを受けていても収入によって費用が異なる為、不公平感がある。収入によって個室しか選択できない方、多床室(2~4人部屋)しか選択できない方がいて、希望を出せない事が多い。個室になる場合、月の費用としては安くても15万円程度になる。
※「みんかい」でご紹介できる有料老人ホームの中には15万円より少し負担が軽い費用の施設があります。介護負担や医療費負担の割合等では15万円を超えてしまう方もいますので、ご希望の方は是非ご相談下さいませ。
ポイント3:特養の探し方
公の機関である特養について、「みんかい」や他の紹介センターが空室や施設の生活の様子等、詳細を紹介する事はできません。では、どうやって探すのか。お住まいの地域包括支援センターで特養や民間の有料老人ホーム、介護事業所が掲載された一覧の冊子を貰って、基本的にはご家族様で探して頂きます。
メリット:
ご家族様やご本人様の近く(馴染みのある場所)の施設から、ご自身で選択できる。
デメリット:
空室状況や料金は特養によって異なる為、1件1件の問い合わせが必要となる。また、特養も様々な取り組みをしている中で生活の様子もご家族様で見学して質問していかないと分からない事が多い。
いかがでしょうか。
さらに住人(特にご高齢の方)が多い地域は空室のある特養が中々なく、年単位で待たなくてはいけなかったりもします。特養も民間の老人ホームを探す価値基準は一人一人異なります。今回ご紹介いたしましたメリット・デメリットがご自身やご家族様にとって本当に良いのか、悪いのかを考えてみるきっかけになると嬉しいです。
老人ホームはご自身や大切なご家族様がお過ごし頂く場所です。ずっと生活をしていく場所として、特養や民間の有料老人ホームを比較検討して頂ければと思います。特養は分かったから、民間の有料老人ホームのメリット・デメリットって何なの?知りたい!と思った方は、是非「みんかい」にご相談下さいませ。
ご希望条件はもちろん、今までのご生活の様子や身体状況をお聞かせ頂き、ご本人様にはご自宅と間違うような居心地の良い有料老人ホーム、ご家族様には安心して大切なお父様やお母様、ご兄弟方々がお過ごし頂ける有料老人ホームを紹介いたします。
首都圏相談室 室長代理 渡邉智美
ご見学の際に確認しておくといい内容
有料老人ホームを見学する時の注意とは?
長く有料老人ホーム探しのお手伝いをしていますと、よく『有料老人ホームを見学する時にはどのような点を注意して見たらいいの?』というご質問をいただきます。ような時に必ず『ご対象者様の立場に立ったつもりで見学してみてください』とお伝えしています。
健康で若いご家族様が見学する際に、「建物の綺麗・汚い」「新しい・古い」などに目が行きがちなのは仕方のないことだと思いますが、『最上階の南向きがいい』『近くにスーパーやコンビニがあって、できれば駅近がいい』とお考えになるより前に、その有料老人ホームの中での生活を考えることが重要です。実際は建物が介護するわけではありません。
建物の良し悪しも大事ですが、対象者様(ご入居予定者)の気持ちや身体状況に照らし合わせて質問をすることが、一番、入居して生活する際のイメージがつけられます。以下はその点を踏まえた確認ポイントです。
対象者の既往歴に合わせた往診医(診療科目)の状況
一昔前は「協力医療機関」への通院を施設職員が同行していましたが、最近は往診医(総合内科など)による定期受診(医療フォロー)が一般的となっています。よって、大抵の既往歴に対するフォローが可能となっていますが、どうしても専門医に看てもらわなければならない・・。などの状態には心もとないイメージがあります。
そのようなご状態の時に往診医の科目を確認しておくことが必要です。眼科、皮膚科、循環器内科、精神科、心療内科などの定期的フォローがあれば安心感が増しますね。どうしても受けなければならない通院の同行は可能?その際は無料?有料?なども大事になります。
対象者の希望するケアに対してどの程度応えてくれるの?
対象者の「認知症」の症状なら・・どのような点を注意してケアをしてもらえるのか?日中の過ごし方など、イメージすることができたら安心です。
同じ介護度、状態の方の月額利用料金をざっくり聞く
両親が有料老人ホームに入居したという知人から、『聞いていた話より、すごく高い料金を請求された』などというお話をよく耳にしませんか?これは大抵が理解不足によるものであると考えられます。有料老人ホームの料金は、基本月額料金(家賃や食費、管理費など)と個別料金(介護保険自己負担金や医療費、オムツ、消耗品など)の合計金額になっています。
介護保険の負担割合やオムツの使用量、光熱費(空調、テレビや冷蔵庫など)によって、個人差がありますので一概には言えませんが、同じ介護度の利用者がどのくらいの料金が掛かっているの?と聞いてみるのも、予算を立てる際には肝心なのではないでしょうか。
その他の注意点として
- リハビリを希望している場合(生活リハ?機能訓練指導員?PT?訪問リハ?鍼灸師?)。老人ホームはリハビリ病院ではありませんので同様のリハビリを期待してはいけません。
- レクリエーションの実施状況は?日常のタイムスケジュールを確認する。有料?無料?有料の場合は家族に相談はあるの?本人に声掛けはしてくれるの?
- 冷蔵庫を置けるの?その際の賞味期限を管理してもらえるのか?認知症の症状が顕著な場合などはどのような管理をしてくれるの?
- サービス提供を受けるうえで介護保険以外で課金されるサービスはあるの?(洗濯・特別食・リネン交換・おむつパック料金など)
- サ高住、住宅型の場合は、いままで利用していたデイサービスを継続利用できるの?いままでお世話になっているケアマネジャーさんの継続利用は可能なの?
- 面会時間の確認。仕事で遅くなった場合など・・
- 利用料金の引き落とし口座の指定は?有料老人ホームの中には「〇〇銀行の口座を作ってください」と言われるケースもあります
- 夜間の介護・看護職員の人員体制。
- 入居の際に必要な備品一覧
- 入居審査を受けるうえでの「診療情報提供書(紹介状)」は貴社の書式限定か?(現在のかかりつけ医の持っている書式で代用可能なの?)
- 入居時にお迎えに来てくれる?あくまでお願い事項~ほとんどの有料老人ホームはNGですが、まれに対応可能な施設もある。
- 共用部分(トイレや食堂)は綺麗だったか?食堂のテーブルに設置されているはずの椅子が少なかったら「車いす利用者」が多く入居していると思います。
- すれ違う従業員さんなどからしっかり挨拶されていたか?
- 居室内の備品(特にカーテンやウォシュレットなど)は何があったか?カーテンは防炎カーテンが義務付けられます→備付けでなければサイズを確認することなどが挙げられます
先日、テレビの情報番組の中で同じような質問に対して“その専門家”と言う人が言っていました。『有料老人ホームの中にある観葉植物の葉っぱにゴミが溜まっているか?確認して下さい』『共用スペースに設置されているテレビの裏側にほこりが溜まっていたら目が行き届かない有料老人ホームです』『それとなくトイレを使って緊急コールを押して、すぐに人が駆け付けてくれるか?確認して下さい』
うーん・・。その人その人の考え方で、間違った見識とは言えませんがどうなのでしょう。ただ確実に言えることは、私達をご見学時に同席させることをお勧めしたいです。あとになって『言った、言わない』『聞いた、聞いていない』を無くすためにも。
また、我々のような紹介会社が同席する事で有料老人ホーム側の過度な【リップサービス】が無くなると考えています。なんでも『やります、頑張ります・・』と安請け合いだけはしてほしくないですものね。
みんかい相談室室長 渡辺大志
安い老人ホーム探しに潜む落とし穴
老人ホーム探しに来られる方は、不安な面持ちの方が多いです。その不安については、老人ホームに関するイメージが、中々湧かない所からくるかもしれません。”日ごろのお手伝いはしてくれそう””ご飯は出してくれそうだな”等、老人ホームの内容については、漠然とイメージが湧くかもしれません。
しかし、ホームの料金についてはどうでしょう?全く想像が付かない、と仰る方が多いです。想像が付かない中、お客様の仰る言葉で多いのが、「安いに越した事は無い」というものです。老人ホームの料金は、ピンからキリまでで、最近は、インターネットでも料金を検索すれば、すぐに結果が出るようになっています。
10万円以下のホームも、検索結果として出てくるので、安いホームもあるのだと思い込みがちです。安い物にはワケがある、という言葉がありますが、それは平均相場が分かっていてこそ判断できるもので、老人ホームの相場が分からない方は、安い値段を求めてホーム探しをし続けてしまう方も多いです。
安い物にはワケがある、これは老人ホームも同じです。そのワケを理解しなければ、思わぬトラブルとなる可能性があります。今回は、安さを求めてホームを探す危険性と、安くて内容が良い老人ホームを探すコツをお伝えしようと思います。
危険性その1 安く見える表記
よくインターネット上の表記で月額「〇〇」円と書いてあると思いますが、気を付けて欲しいのは、表記の月額内訳がホームの種類によって変わります。介護付き有料老人ホームの場合は、家賃管理費共益費に加えて、食費も表記の月額費用に含まれているケースが多いです。居室にキッチンが無いホームが殆どなので、食事はホームの中で出されるという前提になっているからだと推測できます。
しかしサービス付き高齢者向け住宅は、食事サービスはオプションという考え方なので、月額「〇〇」円という表記の中に、食費を含んでいないところが非常に多いです。さらに、サービス付き高齢者向け住宅は、お手伝いに関して介護保険のほかに自費にオプション設定を行っている所もあります。服薬の管理などが別途オプションサービスとなる住宅も多く、お手伝いをお願いするうちに、想定よりも月額費用が高くなってしまうケースもあるかもしれません。
介護付き有料老人ホームは、介護保険の負担分費用を払うと、日々の手伝いは概ねお願いできるケースが多いので、サービス付き住宅や住宅型有料老人ホームよりも月額総費用の計算はしやすいです。しかし介護度や負担割合によってお手伝い費用が変わる為、月額「〇〇」円の表記にはお手伝い費用は含まれておりません。
特に安く見えるのがサービス付き住宅で、月額「〇〇」円のほかに、食費や介護保険自己負担分、オプション費、医療費その他雑費など、7万円~15万円くらいプラス費用として想定する必要があります。介護付き有料老人ホームは、介護保険自己負担分や医療費、その他雑費等、5万~13万円ほどを想定した方がいいかもしれません。
つまりインターネットで7万円!と謳っているホームも、状況次第では月額20万円必要な可能性もあるのです!お気を付けください。
危険性その2 安い理由
危険性その1の料金の事を考えても、月額費用が相場より価格が抑えられるホームは多いです。何故価格が抑えられるのか?これが非常に大事です。理由に関して大きく分けて3つあると思います。
理由1:建物の設備が古い
有料老人ホームは、全て新築で建てられるわけではなく、元々寮だったところを改装してホームに作り替えている所がございます。設備投資が抑えられるため、お客様にも低下価格で料金設定ができます。基本的には個室ですが、歴史があるホームの中には4人部屋のところもございます。こういったホームの特徴のメリットは、実績が豊富なので新築のホームと比べて介護の経験が豊富なスタッフが多いです。また居室がこじんまりとしているので、転倒しそうになっても壁が近く、転倒リスクがある方にはいいかもしれません。デメリットとしては、設備が古い為、採光などが考えられた設計になっておらず、雰囲気が暗い傾向があります。また実績がある分、入居者様も長くお住まいの方が多いので、介護度が高い方が多く、お話が出来る方が入居した場合は居心地が悪くなるかもしれません。
理由2:居室の数が多い
有料老人ホームの居室の数の平均は、60~70室くらいです。たまに100室以上のホームがあり、そういったホームの中では、東京で立地も良く建物も綺麗なのに価格が抑えられているケースがあります。居室の数が多いので、単純に一人当たりのお客様への価格設定を落とすことが出来るというカラクリです。
メリットとしては、繰り返しになりますが立地がよく(即ちご家族が面会に行くのに交通の便が良い)建物がきれい!です。一見すると理想的ですよね。しかしもちろんデメリットもあります。居室の数が少ないホームと比べると、スタッフの人手が不足する可能性が有るという点です。とくに大規模ホームをどんどんオープンしているホームは要注意なのですが、入居者様の数が増えるに従ってスタッフも多く雇わなければなりません。全て新規採用で賄うのは難しく、派遣のスタッフに頼る比率も増えるのは仕方ないです。
さらに大規模であるがゆえにお客様一人ひとりのご状況、ご性格を把握し辛くなります。この状況がデメリットになる人とそうとも限らない人は分かれます。お食事やお風呂のお手伝い、お掃除最低限の所だけサービスしてくれれば十分安心して過ごして頂ける人にとってはデメリットになりません。しかし、認知症で徘徊があり声掛けが必要だったり、1人で部屋にいる時間が長いと調子が悪くなる状況だったりする方のケースの場合は、行き届いたケアが出来ず、ご入居様の状況がご家族の想定と異なってしまうかもしれません。もちろん、大規模だから悪い!というわけではありませんが、小規模のホームと比べると目が行き届かない可能性は否定できません。
理由3:立地
不動産と共通しますが、駅から離れているホームの方が価格は下がりやすいです。そして東京よりも埼玉や千葉の方が、価格が下がりやすいです。いざ見学に行ってみると、駅から遠い!バスの便も少ない!といった事になるかもしれません。
価格抑え目のホーム探しのコツ
平均相場より抑え目で、尚且つ、入居対象者に合っているホーム探しにおいて大事なのは、先ほどお伝えした価格が抑え目な理由1~3と、老人ホームの特徴を照らし合わせる事です。理由3の立地が理由で、抑え目なホームについては、サービス内容と関係なく価格が抑え目になるので、面会に行く方にとって不便という点を除いて、ご入居対象者に合ったホームという観点からすると一番お勧めです。
理由1と2については、ご入居希望の方の状況によります。ご入居希望の方が、認知症で見守りが必要な方であれば、理由1で価格が抑え目になるホームはお勧めです。逆に認知症は無いですが、家事など必要なお手伝いだけして欲しい、後は自由に個室で過ごしたい方にとってみれば、理由2で価格が抑え目のホームがお勧めです。さらに「理由1と理由3」「理由2と理由3」2項目に当てはまるホームはより価格が抑え目になります。(理由1~3全て当てはまってしまうのは問題だと思いますが)価格抑え目のホームを見つけた場合は、ホームの内容を確認して価格が抑えられる理由を把握することが大事です。しかしインターネットで調べても簡単にホームの内容は分かりません!是非ともみんかいに相談下さいませ。価格が抑え目でも、ご入居希望者に合ったホームをご提案させて頂きます。
みんかい事業部 浦口 幸大
健康寿命と平均寿命と早めの引っ越し
健康寿命と早めの引越し
健康寿命という言葉を最近では良く聞きます。その健康寿命を考える時に必ずと言って良いほど、対にでてくる言葉が、平均寿命ではないでしょうか。老人ホームに入居する平均年齢は、女性は82~83歳、男性70代後半と言われております。比率で言うと、圧倒的に女性が多く、施設によっては、8割~9割占めるところが多々あります。
上記の入居希望の場合は、どちらかと言いますと、介護が必要になってから、介護付き有料老人ホームに入居する方が比較的多いのではないでしょうか。良く有料老人ホームに見学に行きますと、100歳のおばあちゃんが、お誕生日のお祝いされている光景などを多々見受けられ、平均寿命が比較的高くなっている証でもあります。
似ているキーワードでありますが、考え方が大きく違いますし、介護施設を探すタイミングによりますが、健康寿命を意識する事で、自立型の有料老人ホーム選びにも関わってきます。では、平均寿命と健康寿命との違いは、何がちがうのでしょうか?
平均寿命と健康寿命の違い
平均寿命とは、生まれて0歳から何歳まで生きられるか?統計学から予測した平均余命の事です。我々が幼少の頃から比べて現在は、平均寿命はかなり延びてきております。医療の発達、食生活の変化、また介護保険制度の開始からサービスの実施に到るなど、平均寿命が延びるのは必然ではないかと感じます。
介護保険制度は、2000年4月にスタートしました。この制度は、医療制度の度重なる見直した末に、生まれた制度です。戦後日本は、国民皆保険を実現して、老人医療費を無料にするなど、経済的負担を軽くする政策をとってきました。また介護も病院で任されておりました。
一方、衛生環境の向上や、医療技術の発達により、日本は、世界的にも、長寿国になり、平均寿命を飛躍的に上がったのではないかと思います。そんな中で、急増する高齢者人口と、医療費の増大が問題として直面して、我々の生活、今後の社会福祉に大きな影響を与えている事が予想されます。
一方、健康寿命とは、元気に自立して過ごせる期間の事を健康寿命と言います。言い換えると、日常生活を制限されることなく、健康的に生活を送る事ができる期間の事を言います。日常的な制限とは、介護や病気などを指し、自立して、元気に過ごす事ができない状態です。
つまり、長生きの方でも、健康寿命にあまり差が無いと、無くなる直前まで健康で過ごしていたという事になり、平均寿命に比べて、健康寿命が短くなると、不健康な状態が長いという事になります。いかにして平均寿命と健康寿命の差を埋めること、短くすることがとても大切で、その為にも健康でイキイキ生活できる環境、食事、日常の生活がとても大切です。
元気なうちから有料老人ホームへ入居したいという要求はあるが・・・
有料老人ホームと聞くと、介護が必要になったら入居すると考えている方が多いのではないでしょうか?介護施設、有料老人ホームなどの名前が、そのようなイメージを与え、老人ホームのイメージが、誰でも暗い、姥捨て山のイメージを未だに抱いている人が大多数いるのが現状です。
健康寿命が長くなってきている現在、できる事なら在宅で、いつまでも元気に生活する事が望まれ、誰もが、活き活きとした生活を自宅で送りたいと願っていると思いますが、我々、有料老人ホーム紹介センターみんかいに相談来られる方は、健康で、お元気なうちから、高齢者住宅に入りたいというお客様のニーズも少ないですが、ある一定数の相談はあります。
お元気なうちから有料老人ホームに入居したい方の一番の背景は、お子様がいないので、自分が介護になる前に、ホームを探して、介護になっても安心して生活できる有料老人ホームを希望される方が多いです。自立の方を対象としている有料老人ホームも早めの引っ越しとお客様に提案している運営企業も多々あります。
お子様がいないから、お元気なうちに、自立から入居できる有料老人ホームを探すというニーズ以外に、お子様がいたとしても、お元気なうちから入って、安心した生活を過ごしたい。
また、子供には頼りたくないので、自分で今後の事は決めていきたいというニーズも多いです。健康寿命が延びてきている昨今、有料老人ホームのサービスも多様化しており、自立(お元気なうちから)から有料老人ホームを検討され、入居される事は、とても良い事ではないかと思います。
元気な高齢者の為の高齢者入居の注意点
お元気な方が、自立のうちから、高齢者住宅を希望される場合の、有料老人ホームの選び方は、いくつか注意が必要です。まずは、いつ入居したいのか?まさしく今なのか、現在は目星をつけて、いよいよ介護が必要な時に入りたいのか?まずはいつ?を具体的にイメージする必要があります。今であれば、今の生活環境、生活行動を変える事なく、生活できる高齢者住宅を探す必要があります。
候補としては、自立系のサービス付き高齢者向け住宅が良いのではないでしょうか?サービス付き高齢者向け住宅のほとんどが、お部屋も18㎡前後で、介護付きを意識した介護ができるサービス付き高齢者向け住宅が大半ですが、お元気な方が望む生活環境、雰囲気、コミュニティではありません。介護付き有料老人ホームを意識しているので、スタッフにとっては、介護しやすい作りになっており、お部屋も狭く、自立の方よりも、介護が必要な方のコミュニティになっているので、外出をしたり、お友達と趣味を楽しんだり、お元気な方からすると、私は、まだまだ違うという反応が芽生え、ホーム選びにおいては、雰囲気のミスマッチが起きてしまいます。
上記で述べたように、サービス付き高齢者住宅であれば、まざしく、25㎡くらいの広さで、ミニキッチン、個浴が部屋にあるところが良いのではないでしょうか。介護が必要になった場合は、自宅と一緒で、介護申請をして、外部のケアマネにケアプランを作成してもらい、ケアプランに基づき、外部の訪問介護やデイサービスなどを活用するのが良いのではないかと思います。認知症や介護度が高くなった場合は、介護付き有料老人ホームに移れば良いかと思います。いつでもみんかいにお問合せ願います。
一方、サービス付き高齢者住宅以外にも、アシステッド型有料老人ホームが良いのではないでしょうか。お元気な方向けの生活空間である自立棟があり、介護が必要の際は、より手厚く介護が受けられる介護棟に住み替えしたり、介護居室に住み替えになったりするコンセプトのホームもあります。お客様のお身体の状況にあったニーズにはあっておりますが、このようなコンセプトのところは、数が少ないのと、かなり高額な有料老人ホームが多いかと思います。自宅を売却したりして、お元気な方が、入居しているケースがあります。
元気か方が介護付きに入居する時の留意点とは
最後に、お元気な方が介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームに入る場合ですが、まずは入居要件が自立から入居できるかがポイントです。入居する場合でも、自立サポート費などの名目で、費用がかかる場合があります。入れたとしても、生活や、雰囲気などのミスマッチが起こるといけないので、フロワー分け介護をしているのか?(例、3階は自立の方のコミュニティ、2階は看護師が常駐なので、手厚い介護を希望する方、1階は認知症で徘徊がある方など、お身体の状態で分けているホームや、ユニット(グループ)で分けているホームがありますので、その点を重視して選ぶのが良いかと思います。
健康寿命が延び、平均寿命と健康寿命の差がだんだん少なくなってきたので、健康のうちに、ホームの住み替えがおこり、ホームの中のレクレーションや仲間とのサークル活動で、ときめくホームに入居して、胸ときめかせて、活き活きと、早めの引っ越しを提唱していきます。
法人事業部 次長 内山 寿幸
老人ホーム探しの勘所とは!?
老人ホーム探しの勘所とは!?
老人ホーム探しのタイミングはそれぞれです
- 離れて暮らす親の様子が変わり、心配になってきたとき。
- 転倒による骨折などで入院したとき。
- 火の始末の心配がでてきたとき。
- 食事を取らなくなったとき。
- 1人でのトイレが難しくなったとき。
- 外出先から帰宅できなくなったとき。
- 介護者が入院したとき。
- 介護者が限界と感じたとき。
家族(兄弟・父・母・叔父・叔母)間で話し合う時のポイントとは!?
老人ホーム探しを始めるとき、他に相談者がいないと1人で決断しなければならないという苦悩もあります。がしかし、家族内に複数の相談先がある場合も注意が必要です。有料老人ホーム探しの相談員として家族間で考え方が大きく事なるケースを何度もみてきました。
最も介護に関わってきた子世代により、ホーム入居検討は開始されますが、その際に、他の家族に相談なく入居を決めてしまうと、「施設を検討する経緯に至った理由」ではなく、「施設入居」を決めた、という結果のみが大きくクローズアップされてしまいます。
事後報告を受けて「施設に入れるなんてかわいそう」「費用はどうするんだ」等のトラブルに発展しがちです。早めに相談することで施設を探す必要性を共有することができます。後のトラブル防止のためにも、見解を統一する話合いが必要となってきます。
資金の把握の重要性
入居理由にあるような、入院などによる急な入居が必要となった場合、親の資金を把握できてないことで、費用の目途が立たない、銀行から引き出せない、一旦、子が負担するなど予期せぬ展開が待っています。資金計画を立てるためにもお金事情の把握は大切です。以下に費用の主となるものを列記します。
- 月々の収入(公的年金・個人年金など)
- 資産(預貯金・不動産・保険など)
- その他収入(家賃収入など)
- 家族からの支援
2つの有料老人ホームの支払い設定
ちなみに、入居一時金には、返還制度があります。想定入居期間を償却期間として、償却期間内に退去した場合は、未償却分が返金される仕組みです。
例:月払い方式
入居金を納めず、家賃・食費・管理費などの必要費用をすべて月払いにする方法
入居金0円/月額費用22.5万円
内訳/家賃6.5万円、管理費10万円、食費6万円
例:入居一時金方式
家賃の一部、または全額を数年分(想定入居期間)先に支払う事で、月々の費用を軽減。家賃(一部)以外の費用を月払いにする方法
入居金650万円/月額費用16万円
内訳/家賃0円、管理費10万円、食費6万円
資金を把握した上で重要なのは、いくらかかるかではなく、いくらかけられるかの視点での話し合いです。お手元にまとまった資産がある場合は、入居一時金を設定して月額費用を年金内でおさめるなどの選択も考えられます。また、予定外の出費(入院など)にも対応できるようにギリギリではなく、少しゆとりのある資金計画を立てることも大切です。子どもが支援する場合も、自身の生活設計を練った上で、できる範囲で行うことも必要です。
入居の目的を明確にする
有料老人ホームといえば、費用がかかるというイメージが強いですが、高い安いで料金のことばかり先行して考えがちです。費用も外せない大切なポイントですが、なぜ施設なのか、その目的を明確にして、検討されるとホームの種類を含め入居の目的の方向性が見えてきます。
- 家族による介護が困難になったため
- 介護する家族がいないため
- 施設・医療機関から退所・退院する必要があるため
- 医療的ケアが必要なため
- 認知症の対応が困難になったため
- 1人暮らしが不安になったため
- 家事が負担になったため
- 食事の提供が必要になったため
介護が目的であれば、介護力のある施設を探す必要があります。医療的ケアが必要であれば、それに対応できるホーム、1人暮らしの不安が課題なのであれば、夜間の職員がゼロになるような施設では入居目的の解消にならないかもしれません。大は小を兼ねる訳でもありませんので、自立している親が介護力の高いホームに入居して、あれこれ制限されるのも快適な生活とは言えないかもしれません。介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームなど入居の目的によって、選択するホームの種類も変わってきます。
譲れない条件とは
費用、場所、立地、個室、夫婦部屋、居室内トイレ有無、個浴(1人用浴槽)有無、認知ケア、医療ケア、小規模施設、ホームの雰囲気、リハビリ、食事の内容、レクリレーション充実、手厚い人員体制、看取り可否、外出自由、通院送迎可否、喫煙・アルコールの可否、ペット可能など
入居の目的にも通じますが、有料老人ホームに入居する理由をもとに、どのように暮らしたいか、また暮らしてほしいのか、何がして欲しいことで、何がやりたいことなのか、施設に入居することは、至れり尽くせりで、介護がなされ、職員マンツーマンのような快適な暮らしが約束される訳ではありません。(逆に、職員が何でもかんでもやってしまうことは、自分で、できることをできなくしてしまうことにもつながりかねません)。ただ、すべては、かなえられなくとも、ここだけは外せないポイント(条件)が明確であればよりホームが選択しやすくなります。因みに、ホームでは、必要なケアが提供できない心配よりも、必要なケアを受けてくれない心配の方が多いと聞きます。
身元引受人の選択
老人ホーム探しにおいて、実際に入居となった際は身元引受人が求められます。(見元保証人となっているところもあります)。見元引受人の役割とは、以下の通りです。
- 入院時の対応協力、医療処置判断。
- 支払いが滞った場合の金銭保証。
- 緊急連絡対応、契約解除などの対応。
- 遺品、遺体の引き取りなど。
注意事項として、対応が、長期にわたる可能性もありますので、家族の中で、誰が見元引受人に適任なのかの相談も必要です。
みんかい首都圏相談室室長 高峰ゆう子
「みんかい」の使い方と効用
「みんかい」の使い方と効用
今回は、私たち「老人ホーム紹介センター」がどのような相談を承っているか、どういった質問が多いかを「みんかい」の特徴もご案内しつつ、ご紹介いたします。
私たちは「民間介護施設紹介センター」を略して「みんかい」と名乗らせて頂いております。
「老人ホーム」の中には、公の機関に属する特別養護老人ホームや老人保健施設、軽費都市型老人ホームも含まれております。そのため、私どもはあえて「民間介護施設紹介センター」名乗らせて頂いております。
ただ、「老人ホーム紹介センター」と言った方がイメージしやすい方が多くいらっしゃるかと思いますので、以下からは「老人ホーム紹介センター」という表現を使用させていただきます。ご了承下さい。
「みんかい」は日本初の有料老人ホーム紹介センターとして、1997年5月に営業を開始いたしました。実は、介護保険制度のスタートが2000年なので、それより前に誕生した老人ホーム紹介センターなのです。病院や行政機関、居宅介護支援事業所の皆様から、年間15,000件以上の相談を頂いており、相談の実績も年々増えております。また、提携している有料老人ホーム数も約7,000件と、数多くの有料老人ホームを紹介しております。
このように、皆様から信頼して頂いているのも、20年以上の実績や創業当初からの「Face to Face」にこだわり、直接、お会いして、お話しすることで、ミスマッチの少ないご提案をさせて頂いているからだと思いますし、相談員は、その信頼に応えるべく誠実に対応をしていきます。
それでは、老人ホーム紹介センター「みんかい」をご利用いただくタイミングとはどのような時でしょうか。
大きくは下記3つのタイミングではないかと思います。
- 病院から退院する際に有料老人ホームをご検討
- 老人保健施設などリハビリ施設から有料老人ホームをご検討
- ご自宅での生活が難しいと感じた際に有料老人ホームをご検討
この中でお探しになることが大変なものとしては、「病院からのご入居」と「自宅からのご入居」と言えます。「病院からのご入居」の一番の壁は探す期間が短い事です。有料老人ホーム入居に向けて、お申込みからご入居までは書類の準備から始まり、約1ヵ月弱の期間が生じます。入院したご病気や病院にもよりますが、1~2週間前に退院の話があって、慌てて探さなければいけない状況になることもあります。
また良いと思える施設が満室だったり、準備が整わず、ショートステイなどのワンクッションおいて、ご利用いただくケースもございます。環境を短期間で何度も変えるのは、ご本人様にとってストレスになるため、あまりお勧めはできませんが、致し方なくそのような方法を選ばれる方もいらっしゃいます。
「自宅からのご入居」の一番の壁はご本人様の拒否です。長年ご生活された自宅を離れがたいのは当然です。また、ご自身のお身体の状況を客観的に把握できる方はあまりいないため、ご家族様やご近所の方、かかりつけの先生、ケアマネージャー、周囲の人が心配で声がけしても伝わらないこともあります。
私たちはこのようにご家族様がお困りの際にも、出来る限りお手伝いをさせて頂いております。
入居へのスケジュールの筋道を立てて、病院と情報共有して退院日の調整をお願いしたり、ご本人様の拒否に対して過去にどのような説得のパターンがあって、入居に至ったかをお伝えしたり、「みんかい」の20年以上の経験を活かして誠心誠意対応いたします。
私たちに相談いただく9割近くのご入居検討のご本人様は、拒否されていらっしゃいます。どこかのタイミングで周囲の方が有料老人ホームの入居時期を見極めなければいけません。私個人として有料老人ホームは、老後の生活を充実したものにするための、より良い手段と考えておりますが、ご本人様が「嫌だ」と訴えている状況でのご決断は家族として大変つらいものかと思います。
相談の流れをご案内いたします。
私たちは「Face to Face」。直にお会いしてお話を伺い、ご家族様の想いやご本人様のこれまでのご生活も聞かせて頂いたうえで、よりご要望に沿える有料老人ホームをご提案したいと考えております。そのため、「みんかい」の相談室は関東に18件(阿佐ヶ谷・御茶ノ水・新宿・目黒・池袋・吉祥寺・渋谷・上野・品川・町田・八王子・新横浜・横浜・あざみ野・東神奈川・藤沢・大宮・船橋)、北海道・名古屋・大阪・九州に1件ずつとエリアも広く数も多く展開しております。
相談室にお越しになる事が難しい方には、ご自宅などに訪問もさせて頂いております。直に、お会いすることで私たちの人柄も知って頂き、安心して相談をして頂ければと思います。お会いした際に、相談員は今のお困りの状況、有料老人ホームに求める条件、ご本人様がどのような性格か、お仕事は何をされていたか、趣味は何か等、なるべく詳しくお話を伺います。
これらを伺う事で、アットホームな有料老人ホームが良いのか、レクリエーションを活発にしているところが良いのか、ご自身のペースで生活できるところが良いのか、など一緒に考えます。ご家族様が希望される条件とご本人様のお身体の状況が合わない場合ははっきりとお伝えをしております。
更に厳しいことを申しますと、100%希望条件を満たして満足できる有料老人ホームを探し当てることは奇跡に近いものがあります。私たちは直に伺った情報を参考にさせて頂き、譲ってはいけない希望条件は何なのか、どのような視点で有料老人ホーム選びをしなければならないのか、インターネットや写真を見ただけでは分からない部分もお伝えして、100%に近いご選択ができるようにご提案をいたします。
このように私たち「みんかい」相談員がご紹介した有料老人ホームに気になるホームが候補として上がりましたら、施設見学に進みます。
次は見学です。
見学の手配は、施設に電話したり、希望の時間が取れない場合は再度掛けなおしたりと、かなり時間と手間がかかる作業です。ここも私たちが最短で行きやすいルートで組んで手配したり、事前にお身体の状況やご希望条件、ご家族様の想いもご見学される施設に伝えて、見学の案内がスムーズにできるようにサポートいたします。ご家族様がご不安な場合は同行もしております。
面会の際に、ご自宅からどのようなルートで行ったらいいかをお調べしながら、一緒に見学に向かうこともあります。面会の際に使う交通機関を、見学の際に使うことも、非常に重要なポイントです。
思っていたより乗り換えが遠かったり、距離は遠いけれど電車のアクセスが良かったり、道路の車幅が狭かったりと、行ってみないと分からない事も、多く発見ができます。ご見学でご希望の有料老人ホームを決めて頂くと、入居の準備に進んでいきます。
準備が整ったらご入居です
ここからは、私どもがメインでのやり取りではなく、ご希望された有料老人ホームとのやり取りがメインになって参ります。施設に提出しなければならない書類で間違った情報だと皆様に迷惑を掛けてしまうからです。施設とのやり取りも滞りなくできるように、常に状況を確認してサポートをしてまいります。
「みんかい」はご紹介した有料老人ホームにご入居された方には数か月後にご生活の様子を伺い、アフターフォローも行っております。ご入居後も関わりを続けていくことでご安心頂ければと思います。
「老人ホーム紹介センターみんかい」の事、少しは知って頂けましたでしょうか?まずはお気軽にご相談頂きましたら、一生懸命対応させて頂きます。よろしくお願いいたします。
首都圏みんかい相談員 渡邉 智美
老人ホームの入居金について
老人ホームの入居金について
老人ホームに関して皆様どういったイメージを持っていらっしゃいますか?「料金が高い」「入居金がかかる」というイメージはございませんか?もっとネガティブな印象の方は「とんでもなく高い入居金がかかり、途中退去しても戻ってこない!」なんて方もいらっしゃいます。本日は入居金の意味をしっかり説明させて頂き、老人ホームにまつわるネガティブな「入居金」のイメージを少しでも払拭したいと思っております。
老人ホームにおける入居金の本当の意味とは!?
①入居金の歴史
入居金は1973年当時、「相互扶助」という発想から生まれました。しかし入居金に関する返還義務や償却の細かいルール付けが無かったため、入居してすぐに退去した時の返還金に関するトラブルが多発しました。おそらくこの時代のニュースを見た方が、入居金に関してネガティブな印象をもってしまったと推測できます。
入居金の返還に関するトラブルへの対処として、ようやく2006年に入居金の保全措置が義務付けられました。保全措置とは入居金のうち、あらかじめ契約で定めた予定償却期間のうち、残存する期間にかかる額、または500万円のいずれか低い方の金額は戻ってくるよう義務付けるルールです。
さらに2012年には厚生労働省令第11号により、入居金の算定根拠(償却含め)が明確化されました。若干時間はかかりましたが、入居金についてはしっかりルールができておりますのでご安心頂きたいです。なお、保全措置については2006年以前に開設されたホームは「努力義務」になっております。そこまで多くはないですが、2006年以前開設ホームをご検討される場合はお気をつけ下さいませ!!
現状の首都圏の老人ホームにおける入居金の状況
入居金のルール化が徹底化されるまでは、民間の老人ホームは入居金が必須ところが多かったですが、現状は入居金0円のホームが非常に多いです。入居金が完全に0円のプランしかないホームもありますし、入居金を設定しているホームでも入居金0円の設定のプランも設けているところが非常に多いです。
一般的に説明される入居金の意味とは
入居金には、そもそもどういう意味があるでしょうか?よく言われるのは、長期的に見た時に費用負担を抑えるという意味合いです。家賃相当額を入居金として最初に一括で支払い、月々は年金に近しいくらいの額に抑えることで、長生きされた場合でも費用負担の心配が減るという意味(メリット)があります。具体例申し上げます。
老人ホームAの場合
入居金0円のプラン:月額30万円
入居金600万円のプラン:月額20万円
老人ホームAは、上記のように2つの料金プランを設定しております。ぱっと見ですと、入居金0円で入るほうが楽なのでは?という方もいらっしゃるかもしれません。実はこのホームに5年間入居した場合、総支払額はどちらも1800万円となり全く同じです。入居金の真価が発揮するのはこの5年以降で、いったん入居金600万円を支払うと払い直す必要もなく、月額料金が30万円に戻ることもないので、5年以降の支払いでかなり格差が出ます。
仮に10年間住んだとすると、入居金なしのプランでは支払い総額3600万円、入居金ありのプランでは支払総額3,000万円と、なんと600万円も差が出てくるのです。ただ、100パーセント入居金を払うことが正しいというわけではりません。気を付けなければいけないのが償却の方法です。都道府県によるところもあるのですが、初期償却という仕組みを作っているホームが多いです。
5年償却、初期償却30パーセントというホームが平均的です。この仕組みですと、入居金600万円を支払うと30パーセントの180万円は、入居して3か月後には戻ってこないお金となります(3か月とお伝えしたのは、クーリングオフの仕組みがあるからです。3か月未満での退去でしたら、入居したわずかな期間分を差し引いて入居金は殆ど戻ってきます)。残りの70パーセント分の420万円を5年かけて償却します。有料老人ホームAの入居金に初期償却がある場合、5年以内にもし退去した場合は、入居金無しのほうが総支払額は少なくなります。
何年入居するかが、入居金有り、無しどちらを選ぶかの基準になってくるところです。なかなか難しい判断基準ではございますが、ご病歴が少ない方で5年以上の入居が十分に考えられる方は「入居金有り」のプランを選んだ方が良いと思います。逆に内臓的な病歴が多い方や重篤な病気を抱える方、特別養護老人ホームの順番待ちをしており5年以内の転居もあり得る方は「入居金無し」のプランを選んだほうがいいかもしれません。
先々の支払いの事を考えると、ご状況によっては入居金を選ぶ意味は非常にあります。昔のイメージでは入居金は「払わなきゃいけないもの」「危険なもの」ですが、現在は「先々の事を考え、活用するもの」という風に考えて頂ければ幸いです。
本当に大事な入居金の意味について
先にお伝えした入居金の意味(メリット)は、「ホームに入居した時の支払い総額を抑える」という観点です。この観点で入居金の意味を説明するホームページやコラムが圧倒的に多いのですが、私が相談員として様々有料老人ホームを見てきた中で、もう一つの大事な意味があることを感じました。
「ホームを探す方にとっての、ホームの価値を表すもの」という観点です。老人ホームの現状でお伝えしましたが最近は入居金0円のプランのみのホームも増えてきており、一口に老人ホームといっても価格差が非常にあります。下記をご覧ください。
同一区内に建っている老人ホームの価格差
介護付き有料老人ホームB:入居金1000万円 月額20万円
介護付き有料老人ホームC:入居金0円 月額20万円
東京都のとある区内にあるBとCは、どちらも「介護付き有料老人ホーム」としての指定が下りておりますので、入居者様3人に対して1人以上の介護士および看護師が常勤しているという点は共通しております。どちらも部屋は個室ですし、隔週で主治医の往診もあります。それでいて、Bは入居金1000万を払う事で月額20万円になるのが、Cでは一切入居金が不要で同じ月額です。
この1000万円の差はなんでしょうか?この1000万円は、有料老人ホームBが、介護付き有料老人ホームの基準以上のサービスを提供している事で設定している価値の料金という見方ができるのです。介護付き有料老人ホームは株式会社が運営している事が多く、価値として提供するサービスは様々で、「基準よりもスタッフの人数が多い」「リハビリ専門のスタッフが勤務している」「食事が美味しい」「建物が豪華で共有部分が充実している」等、ホームによって多彩です。今回のケースでいうと、有料老人ホームBは、基準よりスタッフが多く、リハビリの専門スタッフが勤務しており、建物も新築なため有料老人ホームCよりも料金を高く設定しております。この1000万の差が、Cと比較したときのBの価値なのです。
この話だけ聞くと「やっぱり良い老人ホームに入るには入居金が必要ってことじゃないの!?」という事になってしまいそうですが、そうでもありません。今回のケースでいうと、有料老人ホームCは、介護付きの指定が下りているため、もちろん基準通りのスタッフが勤務しております。建物は古くなっていますが、実はその分、老人ホームCは実績が豊富で、経験豊富なスタッフも多く、重介護の方や認知症の方への対応実績は、Bより豊富です。
ホームを検討している対象の方が、認知症が無くしっかりとされており、お食事や雰囲気を気にする方で、なおかつ骨折して間もない状況でリハビリを求めていらっしゃるのであれば、有料老人ホームBにかかる「1000万円」は非常に支払う価値があるものです。ただし、対象の方が重度の認知症で、体はお元気ですが自分のご状況が分からず絶えず歩き回ってしまい、見守りが必要な方の場合、老人ホームBを選んで正解でしょうか?
この方にとって必要なのは、綺麗な建物や美味しい食事ではなく、しっかりとした介護、認知症の方への対応力である事を考えると、むしろ老人ホームCの方を選んだ方が良いのではと思います。この重介護の方が入居金を設定しているホームを選ぶ場合、建物や食事のおいしさの価値で入居金を設定しているホームではなく、スタッフの数が基準より多いところや認知症に関する資格を持っているスタッフが多いという価値で入居金を設定しているホームだと思います。老人ホームの特徴と基準よりも優れている点を確認し、どういう価値があって入居金を設定しているのか、その価値が入居を検討している方にとってメリットとなるのかどうか、見極める必要があります。
入居金の意味を見極めるための、みんかい利用のススメ
入居金を設定している意味、入居金無しで同じ月額で入ることが出来るホームとの差、これを見極めるためには様々なホームの知識が必要で、簡単にインターネットで調べて分かるものではございません。ではどうすればいいでしょう?そんな時こそ是非みんかいにご連絡ください!相対的なホームの特徴の差、それによる価格の差、現在のお客様にとって価値があるのかどうか、お客様の声に耳を傾け、各ホームの評判やご案内実績をもとに適切にアドバイスさせて頂きます。ご相談お待ちしております!
みんかい首都圏相談室 浦口幸大